
先月のリリース直後から人気を集めている『Shadowverse: Worlds Beyond(シャドバWB)』の新パック「インフィニティ・エボルヴ」が、7月17日に実装された。前作でもおなじみの「オーディン」や「グリームニル」の再登場に加え、新たなカードによってこれまでややパワー不足気味だったクラスが強化されたことで、さらなる盛り上がりが期待されている。
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本稿では、「インフィニティ・エボルヴ」の注目カードおよび注目デッキを紹介する。なお、新パック実装から日が浅い段階での執筆であることや、デッキ名称はSNSなどで使われている通称を採用している点については、あらかじめご了承いただきたい。
■実装初日に注目された「守護ビショップ」
「インフィニティ・エボルヴ」実装直後から注目を集めたのが、守護フォロワーを軸にした「守護ビショップ」だ。進化時に守護フォロワーを恒久的に強化できる「嗚咽の聖騎士・ウィルバート」と、デッキから守護フォロワーを展開しつつ、超進化時に味方全体を強化する「天の守護神・アイテール」の2枚で強力な盤面を作り出し、前環境でもビショップの切り札だった「純白の聖女・ジャンヌ」でライフを削りきる動きが狙いのデッキとなっている。
一方で、このデッキは並べられた守護フォロワーへの対処を苦手とする「エルフ」などには有利に立ち回れるが、明確な除去や打点プランを持つデッキには苦戦を強いられる。さらに、フォロワーの体力は高いものの、攻撃力が「ジャンヌ」頼りになりがちな点もウィークポイントといえるだろう。こうした弱点もあり、新弾リリース直後に比べて使用率はやや落ち着いたものの、最近では疾走フォロワーを場に出せるアミュレットと組み合わせた型も見られるようになってきた。今後の研究と開拓に注目だ。
■速攻から中盤戦まで、どのデッキでも「オーディン」が採用候補に
新規カードの中でも、ひときわ目にする機会が多いのが「運命の黄昏・オーディン」だ。どのクラスでも使用可能な「ニュートラル」フォロワーでありながら、相手の場のカードを消滅させる除去能力と疾走を兼ね備えるフォロワーとして優秀。その汎用性の高さから、現在ほぼすべてのリーダー、あらゆるタイプのデッキに採用候補として挙がっている。
「オーディン」は現在の環境の中心カードの1枚といっても過言ではなく、今後はどのデッキが「オーディン」と特に相性がいいか、あるいは「オーディン」を差し置いて採用すべきカードが登場するのか、といった研究や議論の積み重ねによってメタの変化が進んでいくのではないだろうか。
筆者が「オーディン」と相性がいいと感じているのは、相手の守護フォロワーを消滅させながら攻撃できるフィニッシャーとして「オーディン」を採用できる速攻タイプのデッキだ。なかでも相手リーダーのライフを削るカードが多く採用できる「アグロナイトメア」や、前環境でも強力だった疾走フォロワー中心の「フェイスドラゴン」などが挙げられる。
ちなみに、速攻タイプのデッキは必要なレジェンドカードが他のデッキより少ないため、環境序盤の現在では目にする機会も多くなっている。
そのほか、「オーディン」がエースカード「プロシードハート・オーキス」を出す前に場を整えるだけでなく、フィニッシャーとしても活躍しやすい「人形ネメシス」や、これまで手札から即座に相手リーダーへの打点稼ぎを狙えるカードが「五行の果て・クオン」しかいなかった「ウィッチ」のデッキ全般。新カード「絢爛なる鳳凰・ほーちゃん」で「オーディン」だけでなく「再臨のジェネシスドラゴン」や「ナイトフォールドラゴン」のコストを下げ、同ターンにこれらを繰り出すことも可能な「ランプドラゴン」等々、多くのデッキが「オーディン」を採用できる。
■各クラスの新カードも強力!
もちろん、各クラスにも優秀な新カードが実装され、大幅に強化されたデッキも少なくない。現在の環境で、筆者が特に強力だと感じているのは「アーティファクトネメシス」だ。これまで手札の「アーティファクト」フォロワーをコピーして場に出す手段は限られていたが、新たに「マインドアーツ・カルラ」や「アーティファクトカタパルト」が追加。さらに手札のアーティファクトに破壊体制や守護を付与できる「暗獄の残光・ジャスパー」と、突進を付与できる「イカロスの飛翔」の登場により、これまで以上に柔軟かつ多彩な動きができるようになった。
ほかにも、「ミッドレンジロイヤル」は新カードの追加によって、より序盤から終盤まで隙のないデッキとなっている。たとえば、「ソードプリンセス・ロゼ」は、盤面の取り合いや展開力で活躍。ダメージを受けている相手フォロワーを破壊できる突進持ちで、さらにエンハンス効果により低コストフォロワーをサーチし、そのコストを0にする能力も強力だ。また、除去と展開を兼ねた「静寂のアナテマ・ギルダリア」や、相手のフォロワーを行動不能にする「レヴィオンの超越者・ユリウス」など、後半戦で有用なカードも充実しており、対応力の高いデッキとなっている。
また、これまで個々のカードパワーは高いが、カード間のシナジーが薄かった「ミッドレンジナイトメア」も、展開と除去&回復が選択できる「双輪夜行・ギンセツ&ユヅキ」や、守護の展開に役立つ「流れ堕つ冥河・カローン」といったレジェンドカードに加え、場持ちのいい「腐臭のゾンビ」を手札に加える「カースパーティー」・場に出せる「コープスソルジャー」が追加されたことで中盤以降の動きがより強力になった。
また、前環境でも猛威を振るっただった「スペルウィッチ」は守護フォロワーの展開・ドロー・回復のいずれかを選べる「アダマントアルケミスト・ノーマン」と、攻撃時にスペルブーストをするフォロワー「オニオン軍団」を毎ターン場に出すというクレストを進化時に付与する「否定の詠唱・バーゼント」により、後半のワンショットキルに向け、より安定感のある動きができるようになった。
ウィッチは「暴食のアナテマ・ララアンセム」をエースとして使用し、「ノーマン」をより強く使える「土の秘術」タイプも注目だ。
■環境がどう動くかに期待
前環境では「リノセウスエルフ」「スペルウィッチ」「アーティファクトネメシス」「ミッドレンジロイヤル」の4デッキが強力で、現環境でも存在感を放っている。また、「インフィニティ・エボルヴ」実装以降は新勢力として他のクラスのデッキ、特に「ナイトメア」がアグロ・ミッドレンジの2タイプで活躍している印象だ。
本稿執筆時点では、速攻タイプのデッキと中盤以降に強みを持つミッドレンジデッキがともに活躍しており、同じクラスでも異なるタイプのデッキとマッチングする、多様性のある環境となっている。現在は中盤以降を意識したデッキがシェアを伸ばしている印象だが、ここからどのようなデッキが台頭し、環境の覇権を握るのか注目したいところだ。
余談になるが、筆者は前環境でほぼ「エルフ」のみを使用してマスターランクに到達した。しかし、新弾実装時点では「守護ビショップ」を中心とした守護フォロワーが増加したことにより、「殺戮のリノセウス」が通しづらくなったため、新弾実装直後は別のクラスのデッキをプレイしていた。
しかし、「エルフ」にも毎ターン手札に「フェアリー」を加える「翅の女王・ティターニア」など、可能性を感じる新カードも追加されたこともあって、これまで通りワンターンキルを狙う「リノセウスエルフ」だけでなく、フェアリーを横に並べて強化していく「テンポエルフ」などのデッキも開拓されていった。また「守護ビショップ」のシェアが低下し、比較的「殺戮のリノセウス」を通しやすいウィッチが増加したことで再び「リノセウスエルフ」が環境で台頭。筆者も再び使用している。「リノセウスエルフ」は今後環境にどの程度守護フォロワーが存在するかで浮き沈みを繰り返すことになりそうだが、こうした環境の変化によるデッキのシェア争いが短いスパンで繰り返すのは本作の勢いがあってこそだろう。
最後に、現在実施中の各種キャンペーンについても触れておこう。今シーズンでも好きなクラスのデッキがもらえる「デッキプレゼントキャンペーン」(第3弾メンテナンス開始まで)や、ランクマッチで追加報酬が得られる「勝利報酬キャンペーン」(7月31日4時59分まで)に加え、毎週末にはロビー大会などのイベントも開催されている。これらの報酬を活用すれば、複数のクラスでデッキを組むことも十分可能だろう。
(文=堀江くらは)

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