
フジテレビ系ドラマ『明日はもっと、いい日になる』(毎週月曜21:00~ ※TVer・FODで見逃し配信)の第4話が、28日に放送された。
海沿いのある街の児童相談所を舞台に、そこに出向を命じられた所轄の刑事・夏井翼(福原遥)をはじめとした個性的な面々たちが、子供たちの純粋な思いに胸を打たれ、その親までも救っていく姿を温かく描く、ハートフルヒューマンドラマだ。
○【第4話あらすじ】向日葵の水曜日の謎が明らかに
翼は、児童心理司の蒔田向日葵(生田絵梨花)とともに、散髪から帰ってきた安西叶夢(千葉惣二朗)と奏夢(小時田咲空)を出迎える。無反応の叶夢と一緒に絵を描く向日葵はその絵を見て、彼が自分の家庭に問題があることを分かっていると話す。
するとそこに、所長の桜木里治郎(勝村政信)が駆け込んでくる。叶夢たちの母・安西夢乃(尾碕真花)が、翼を訴えると言い出したのだ。夢乃は翼の発言に精神的苦痛を受けたとして、慰謝料を請求してきた。対応を迫られた蔵田総介(林遣都)や蜂村太一(風間俊介)らは翼に謝罪させるが、夢乃は突然態度を軟化させる。
そんな折、向日葵は女子高生・石田葉月(白鳥玉季)に会いに行く。向日葵は中学1年生のときに深夜徘徊で保護された葉月と出会い、それ以来、毎週水曜日に彼女と会っていた。そこで葉月は、初恋人だという飲食店店長・長野敦(駒木根葵汰)を向日葵に紹介する。ところがその夜、葉月が再び深夜徘徊で補導されたという連絡が入る――。
○慎重になれなかった向日葵
普段は児童心理司として冷静に子どもたちの心を分析し、蔵田が翼に「深入りするな」と諭す姿を横で見てきた向日葵だが、葉月にはしっかり深入りし、「慎重に」はなれていなかった。放っておけず、「自分ができること」を模索し、感情移入してしまう。干渉し合わない主義だと葉月のことを全く心配しない両親。一方で、葉月の恋人のことが気になる向日葵は、「ウザい」とまで言われてしまう。心配と干渉。このボーダーラインは難しい。
しかし、南野(柳葉敏郎)の「美味そうに飯食っているだけでいいかなって。極論ね」という言葉に、本当に大事なことが何かと気付く。そしてシンプルに葉月を見守ることを決めた向日葵の成長は、たくましくもあり、見ていて気持ちがいい。
○居場所を見つけることの難しさ
そんな葉月は、親と血のつながりがなく、家にも学校にも自分の居場所がない。不安な気持ちや孤独感が強いというが、それは葉月だけではないだろう。人は誰もが自分の“居場所”を探し求め、日々葛藤する。そんな葉月に手を差し伸べ続けたのが向日葵だった。
葉月にとっては、毎週会うことはさほど大したことではないと思っていたかもしれないが、翼の「5年間、毎週会ってたんでしょ? それってすごいことだよ」と言う言葉には、葉月だけでなくこちらまでハッとさせられる。仕事がきっかけだったとは言え、他人であるにもかかわらず、そんな人はいるのだろうか?と。
家族や恋人に愛や居場所を求めていた葉月だが、毎週水曜日に愛情を注ぎ、居場所を作ってくれていたのが向日葵だ。向日葵が葉月に「特別な存在だから」と涙をこぼすシーンには、その愛情の深さと2人の絆を感じ、グッときた。
○気になる今後の蔵田と向日葵の関係
以前から蔵田と向日葵のシーンには、お互いを理解し合っている独特の空気を感じていたが、かつて恋人同士だったことが今回明らかに。それを知って改めて見返すと、蔵田のちょっとした行動やセリフ、視線など、納得がいく。林遣都のさり気ない芝居の巧さに改めて感服する。
別れ話の時に向日葵は、自分の想いを伝えず、「心理司みたい」に受け入れてしまったと告白するが、それはまるで後悔しているかのように見える。そしてその言葉へのリアクションや、翼にも指摘されるほど向日葵のことになると無防備な行動をとる姿には、蔵田も未練があるように感じる。今後の2人の関係が気になる。
(佐々木順子)

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