夏野菜の一つであるキュウリは、みずみずしくて食べやすいのが特徴です。生のまま食べる人は多いと思いますが、SNS上では「キュウリは加熱しても結構おいしい」「キュウリを炒めるのが好き」「キュウリみそ汁に入れるとうまい」などの声が上がっており、加熱調理する人もいるようです。

 キュウリを加熱調理すると、栄養素が失われてしまう可能性はないのでしょうか。キュウリに含まれている主な栄養素や、栄養素を効率的に摂取する方法などについて、管理栄養士の松田加奈さんに聞きました。

キュウリの食べ過ぎでおなかが緩くなることも

Q.そもそも、キュウリにはどのような栄養素が含まれているのでしょうか。キュウリを食べるメリットも含めて、教えてください。

松田さん「キュウリには、むくみや高血圧予防のカリウム、抗酸化作用や皮膚を作るビタミンAビタミンCビタミンK、亜鉛、マグネシウム、便秘に良い食物繊維などが含まれています。ビタミン類は日焼けや美肌に良いのに加えて、キュウリは95%が水分なので、水分補給にもなるでしょう。体の中の温度を下げる作用もあるので、熱中症対策にも効果的です。夏にぴったりの野菜なので、暑い時期には積極的に摂取していきましょう」

Q.キュウリを食べるときの注意点について、教えてください。例えば、1日の摂取目安量はありますか。毎日食べても問題はないのでしょうか。

松田さん「キュウリには体を冷やす働きがあり、食べ過ぎると寒くなってしまうので注意が必要です。また、便通を改善する食物繊維と利尿作用があるカリウムが含まれているため、キュウリを食べ過ぎるとおなかが緩くなってしまうこともあります。キュウリの1日の摂取目安量は明確には決まっていませんが、1日1~2本程度ではないでしょうか。

毎日食べるのは問題ありませんが、一度に食べるのは1~2本にとどめておくのが望ましいです。一気に食べるのではなく日を分けて小まめに食べるようにすれば、栄養素をしっかりと取りながら、体調も崩すことなくキュウリを食べられるでしょう」

Q.キュウリ栄養素を効率的に摂取する方法について、教えてください。キュウリを加熱調理する人もいますが、問題はないのでしょうか。

松田さん「キュウリは熱に弱いビタミンが入っている野菜です。サラダに加えたり、スティックにして好きなソースを付けて食べたりするなど、生で食べるのが最も効率的に栄養を摂取できる食べ方です。漬物やバンバンジーサラダにするのも良いでしょう。

また、中華料理ではキュウリを肉などと一緒に炒めることが多いです。キュウリは炒めることでカリウムの吸収率が上がり、味もまろやかになるのでお勧めですよ。しかし、熱を加え過ぎるとビタミンが失われてしまうため、さっと炒めるのがコツです。せっかく含まれている栄養を損なってしまうことがないように、キュウリを適切に調理しておいしく食べましょう」

オトナンサー編集部

キュウリを加熱調理すると栄養素が失われる?