カバンメーカーの職人さんが100均の材料だけでカバンを作る様子が、YouTubeで紹介されています。動画は記事執筆時点で11万回以上再生され、1400件を超える“高評価”が寄せられています。

【画像】完成したカバン

 動画を投稿したのはYouTubeチャンネル「カワニシカバンの休日」。「愛されるものづくり」をテーマに日本一を目指している「カワニシカバン」(香川県高松市)の、代表取締役である川西あつしさんのYouTubeチャンネルです。

 今回の企画は「ダイソーの商品だけでカバンを作ってみた」ということで、川西社長自らダイソーに出向いて材料を調達します。購入したのはフェルト、ソフトワイヤー、クッションカバー、アイレットリング、バンダナ、持ち手、トランプの7点。トランプは川西社長の手品用なので、残りの6点で2つのカバンを作ります。

 川西社長はベトナム出張があるので、実際の作業はスタッフの岩倉さんに託されます。社長からの伝言を聞いた岩倉さんは「なんだよ!!!」と言いながらも、早速1つ目のカバンを作り始めます。

 使用するのはソフトワイヤー、クッションカバー、アイレットリングの3点です。始めにクッションカバーの上部にハンマーで穴を開けようとしたのですが、布の部分がうまく切れないのでカッターで切っていきます。

 4カ所の穴にアイレットリングをはめ込みます。開いた穴にソフトワイヤーを差し込んだら出来上がり……のはずだったのですが、ソフトワイヤーのグニグニ感に納得がいかないみたい。かといって上に曲げたソフトワイヤーを固定しようとすると、ファスナーが閉まらなくなってしまうのです。

 ソフトワイヤーを横に曲げる方法を試してみたら、こちらの方が良さそう。黒い持ち手がアクセントになった茶系の大型カバンが完成しました。岩倉さんの作業時間はわずか13分! 驚きのスピードです。

 フェルト、バンダナ、持ち手を使って2個目のカバンを作ります。フェルトとバンダナを広げて重ね、「このサイズならミニモン(自社製品のトートバッグ)できるかなと思ったけど……」と言いながら型紙を探しましたが見当たりません。型紙無しで進めることにして、バンダナの大きさに合わせてフェルトをカットしていきます。

 バンダナとフェルトを重ねて3辺をミシンで縫い合わせ、表に返して周りにステッチをしていきます。

 正方形の紙を用意して、2つ折りにした生地の角に当てて2カ所を切り落とします。その後、2つ折りを開いて端の部分にミシンをかけます。

 持ち手の位置を決めて両面テープで貼り付け、ミシンでステッチをかけます。素材に厚みがあるのでミシンをかけるのが難しそう。調整を繰り返して進めて行きます。

 サイドを縫い合わせ、底の部分に差しかかったところでアクシデントが発生。岩倉さんが一瞬固まり、「違う違う違う」と言いながら縫う位置を修正します。早い段階で気付いて良かった! 縫いあがったカバンは幅広の底があるデザイン。グログランでパイピングをして耐久力を向上させます。

 表に返したら細長いフォルムのカバンになりました。これで完成かと思ったのですが、岩倉さんが左右の端と中央にホックを付け始めます。左右のマチを折り返して止めたら、今度こそ完成です。モノトーンのバンダナを生かしたバッグは、さまざまなファッションに似合いそう。左右のホックをとめないで、長くして使ってもかわいいですね

 コメント欄には「バンダナのカバンかわええな」「岩倉さんのアイデアとてもすてきです」「職人さんが夏休みの自由研究をやってるみたいで見てる私はとても楽しかったです」「すげー」「圧巻でした」といった声が。「長いバッグは鍵盤ハーモニカを入れるのに活躍しそう」という書き込みもありました。

 YouTubeチャンネル「カワニシカバンの休日」ではこの他にも、高級着物やスタバエプロンなどのユニークな素材でのバッグ作りや、ユニクロやBEAMSのカバンの解説を見ることできます。

動画提供:YouTubeチャンネル「カワニシカバンの休日」

【画像】完成したカバン