
第77回(2024年)カンヌ国際映画祭監督賞受賞作、ポルトガルの鬼才ミゲル・ゴメス監督の「Grand Tour(原題)」が、「グランドツアー」の邦題で10月10日公開される。日本版ポスタービジュアルと日本版予告編、場面写真が披露された。
ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞とアルフレッド・バウアー賞に輝いた「熱波」(12)、カンヌ国際映画祭監督週間部門に選出された「アラビアン・ナイト」(15/3部作)などで知られるゴメス監督の最新作。
コロナ禍を乗り越え制作期間4年をかけて完成させた本作は、文豪サマセット・モームが1930年に発表したグランドツアーの象徴的作品と言える「パーラーの紳士」からインスピレーションを得て、ゴメス監督自身、グランドツアーを体験してから脚本に着手した。
1918年、ビルマのラングーン。大英帝国の公務員エドワード(ゴンサロ・ワディントン)と結婚するために婚約者モリー(クリスティーナ・アルファイアテ)は現地を訪れるが、エドワードはモリーが到着する直前に姿を消してしまう。逃げる男と追う女の、ロマンティックでコミカルでメランコリックなアジアを巡る大旅行の行方は――。
観る者を過去と現代、現実と幻想、カラーとモノクロが混在する摩訶不思議なグランドツアーに誘う。撮影に「ブンミおじさんの森」(10)、「君の名前で僕を呼んで」(17)、「チャレンジャーズ」(24)の名撮影監督サヨムプー・ムックディプローム、日本側のプロデューサーに、「コンプリシティ/優しい共犯」(18)、「大いなる不在」(23)の近浦啓監督ら豪華スタッフが参加し、ミャンマー、シンガポール、タイ、ベトナム、フィリピン、日本、中国のアジア7カ国でロケを敢行した。
予告編は、エディター、ライターなど多方面で活躍し、J-WAVEの番組「TUDOR TRAVELLING WITHOUT MOVING」ではナビゲーターを務める野村訓市氏がナレーションを担当。「ロマンティックでコミカルでメランコリック。時空を超えた映画の旅へようこそ」というナレーションとともに、幻想的な"グランドツアー"の映像の数々が展開する。
10月10日からTOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下ほか全国公開。さらにBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下では、本作の公開を記念し「ミゲル・ゴメス アーリーワークス」が8月22日~9月4日限定で開催。監督デビュー作の「自分に見合った顔」(04)とその才能を世界に知らしめた「私たちの好きな八月」(08)の2作が上映予定だ。

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