
●「自分は宇宙人とかで、人間界に修行に来たと思って生きています(笑)」
CBCテレビの新設ドラマ枠「ドラマトリップ」で放送される『もしも世界に「レンアイ」がなかったら』(7月31日スタート、毎週木曜24:58~)で主演を務める島崎遥香にインタビュー。恋愛感情を持つことが普通じゃないとされる世界を舞台にした異色のラブストーリーで、その世界ではマイノリティとされる恋愛感情を持つ主人公・乙葉を演じたが、自身も周りとの違いを感じて悩むことが多かったという。その葛藤とどのように向き合ってきたのか、また、譲れない“おひとりさま生活”への思いも聞いた。
――演じられた乙葉はシェアハウスで暮らしていますが、おひとりさま好きの島崎さんはシェアハウスに抵抗がありますか?
ありありです(笑)。無理ですね。
――おひとりさま好きになったのはいつ頃からですか?
昔からです。一人っ子歴が長かったというのもあって。
――この先の人生も、共同生活は無理そうですか?
無理だと思います。誰かと住むというのは考えられないです。
――本作に参加したことで、恋愛観や人生観など変わったことはありますか?
このドラマでは、乙葉のように恋愛感情を持つ人たちが“レンアイ”とジャンル分けされていますが、同じラベルを貼られた人たちでも、一人ひとり考えることも思うことも違うので、そういう区切りって嫌だなと。これまでもそう思っていましたが、改めて嫌だなと思いました。
――一人ひとり違うということですね。
そうです。でも、その中でも自分だけ浮いて見えたり感じたりすることもあって。
――周囲との違いを感じて葛藤したり悩んだことはありますか?
たくさんあります。例えば、家族と同じ映画を見ていて、自分だけ感想が違ったり。小さい頃から「なんで?」が多かったと母に言われましたが、今でも常に「なんでだろう?」と思うことがいっぱいあって、よく調べています。
――最近「なんで?」と思って調べたことを教えてください。
電車の中で長い髪の女性が、髪を嗅いで、くわえるというのを繰り返していて、それはなんでだろうと思ってChatGPTに聞いたら、心理的に落ち着かせるための行動だったり、メンタル的に不安定な人がやっている可能性もあると、いくつか提案してくれて、私は変だと思ってしまっていましたが、一概に変だと思ってはいけないなと勉強させられました。
――現在31歳ですが、年齢や経験を重ねて変わってきたことはありますか?
20代の時に名言集を買って、そこで見つけた伊達政宗の名言「この世に客に来たと思えば何の苦もなし」がすごく響いて、自分は周りと合わないと思っていたけど、お客さんとしてこの世に来たと思ったら、周りと違って当たり前だし、もしかしたらもてなしてくれる人が現れるかもしれないなと思えて、そこから私は、自分は宇宙人とかで、人間界で生きていくために修行に来たと思って生きています(笑)。そう思ったら、それまで苦しかったのが楽になりました。
――すごい考え方ですね。
そうですね(笑)。でもそうすると周りとの違いに悩まないで済むというか。友達と話していても、寂しいから彼氏が欲しいという子が多くて、その感情が私にはないから、人間ってそういう感情なんだなと思っています。
●今後も“おひとりさま生活”を継続 老後はセレブな老人ホームに
――1人で生きていくことへの不安はないですか?
ないです。
――バラエティ番組に出演された際に、老後についてすでに考えていて、セレブな老人ホームに入りたいとおっしゃっていましたね。
そうなんです。それも不安だからではなく、自分の進路を決める感覚でいろいろ考えています。
――どんなおばあちゃんになっていたいですか?
新しいものにアンテナを張っているおばあちゃんになっていたいです。おばあちゃんになっても若い子と一緒にいて、刺激をもらって、新しいものを取り入れて、楽しく生きていきたいです。
――そんな老後に向けて、この先はどのように歩んでいきたいですか?
お金が必要になってくるし、体が動けなくなって働けなくなってくると思うので、貯金はしつつ、でも貯金しすぎても、いつ死ぬかわからないので、いい意味であまり何も考えていないかもしれません。もちろんぼんやりとは考えていますが。
――おひとりさま生活で何をしている時が一番幸せですか?
高級料理を食べたり、ハイブランドを買ったり、非現実なことをしている時が、いい刺激をもらえて好きです。高いものはかわいいですし、料理にしてもハイブランドにしても、トップ中のトップの方が作り上げた作品なので、芸術的に素晴らしい。そういう部分ですごく刺激をもらえるなと感じています。
――仕事に関する抱負もお聞かせください。
着実に地道に階段を上っていきたいです。ジャンプアップではなく一段一段。そして気づいたら後輩がたくさんいるみたいな感じになっていたいなと。具体的な目標は特になく、何者でもないというか、ふらっと生きているような人になりたいです。
■島崎遥香
1994年3月30日生まれ、埼玉県出身。アイドルグループ・AKB48の元メンバーで第9期生。愛称は「ぱるる」。2016年にAKB48を卒業し、その後は女優など幅広く活躍。主な出演作にドラマ『ゆとりですがなにか』(16)、連続テレビ小説『ひよっこ』(17)、『ハレ婚』(22)、『私のシてくれないフェロモン彼氏』(22)、映画『劇場霊』(15)、『飛んで埼玉』(19)、『さかなのこ』(22)、『凪の島』(22)など。2024年に初のエッセイ本『ぱるるのおひとりさま論』を刊行。
ヘアメイク:信沢Hitoshi スタイリスト:黒瀬結以
(酒井青子)

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