PE-BANKは、ITフリーランスのためのオンラインセミナー(ウェビナー)「ITエンジニア必見!AI時代に乗り遅れない仕事の組み立て方」を6月5日に開催した。このウェビナーは、同社が提供するITフリーランス向け福利厚生サービス「サポートプラス」の主催によるもので、ITエンジニアとフリーランスが、スキルアップや情報をキャッチアップし、より活躍の場を広げてもらうための一助として毎月定期的に開催している。

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 今回のイベントは、生成AIの進化にともない、仕事やキャリアの組み立て方が大きく変化するなかで、エンジニアやフリーランス、ビジネスパーソンがこれからの時代に必要な視点とスキルを身につけるためのヒントを提供する目的で企画した。

 講師を務めたのは、日本人初のJavaプログラマーであり、現在はAI活用の第一人者としても注目されているエル・カミノ・リアルの木寺祥友氏。約40年にわたりITの最前線を走り続けてきた経験をもとに、AIとの共存を前提とした“仕事の再設計”について、理論と実践の両面から熱く語った。

 セミナーの冒頭で木寺氏が強調したのは、「AIが前提となる時代では、そもそもの“仕事”の定義をアップデートする必要がある」という点。AIによって多くの作業が自動化される一方で、人間が担うべき役割は変わらずに残っている。木寺氏はこれを「問いを立てる力」「仮説を立てる力」「判断・決断する力」の三つに要約。これらこそが、AIには難しい人間の本質的な力であり、今後の仕事の軸になると語った。

 また、仕事にAIを取り入れる際も、「与えられたツールをただ使う」のではなく、「自らAIを選び、仕事のプロセスを再構築する」ことが大切だと説く。例えば、木寺氏自身もChatGPTClaude、Geminiといった複数のAIを目的別に使い分け、個人レベルで“AIチーム”を構築しているとのことだった。

 続いては、AIと共創する仕事の進め方についての具体例を紹介した。ポイントは、「目的から逆算してAIを使う」という姿勢。AIは先回りして提案を行うため、ゴール設定が不明確だと、意図しない方向へ進んでしまう。だからこそ、「仕事のゴールを最初に明確に定義し、それに基づいてタスクやプロンプトを組み立てる」ことが、最も重要なAI活用スキルだと木寺氏は語る。

 また、AIとの対話を長く続けるよりも、短くテーマを区切ってやりとりすることで、精度とスピードの両立が可能になるとのこと。「追いプロンプト」で細かく指示を追加していくやり方が、実務でも有効であると紹介した。