
アメリカ・コロラド州で、パトロール中の保安官が道路を走り回る犬を発見した。保護するためにパトカーを停めると、犬はすぐに駆け寄ってきた。
人懐っこいその犬は、パトカーに興味津々。ためらうことなく自らパトカーに飛び乗り、なんと運転席に座り込んでしまった。だが、ここからが面白い。
運転席がすっかり気に入ったようで、そこからなかなか動こうとしないのだ。
保安官が「席を譲ってくれ」と優しく声をかけても、どこ吹く風。
「これがパトカーかあ。すごいや、ボク、一度でいいから運転してみたかったんだ。ねえ、ちょっとだけ運転してもいい?」そんな声が聞こえてきそうな満面の笑みで、席を譲る気配はない。
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アラパホ郡保安官事務所が公開したこの時の映像は、SNS上でたちまち拡散。かわいらしい“新米警察犬”の姿に、温かいのコメントが続々と寄せられている。
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道路をさ迷っていた犬、パトカーを見て駆け寄る
アメリカ・コロラド州アラパホ郡保安官事務所のリチャード・アンセルミ保安官は、パトカーに乗り、交差点付近で信号待ちをしていたところ、道路をうろちょろしている一匹の犬を目撃した。
危険な状況と判断した保安官は、すぐにパトカーを停めて様子を見に行った。
すると、その犬はまっすぐ保安官に向かって歩み寄ってきた。とても人懐っこい犬である。アンセルミ保安官は犬の頭をやさしく撫でた。

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ところが、次の瞬間、犬は開いた車のドアからパトカーの中へとすばやく飛び込み、ためらうことなく運転席に座り込んだ。
まるでそこが自分の指定席であるかのように、堂々とした表情で腰を落ち着けたのだった。

運転席に居座る犬に、保安官もたじたじ
アンセルミ保安官は思わず笑いながら、犬にやさしく語りかけた。
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「でもな、俺が運転しないといけないんだよ。どいてくれないか?」
犬はしっぽを振りながら保安官を見上げ、ニコニコとした表情で返すのみ。
譲る気配はまったくない。ボディカメラが捉えた映像には、保安官が両手を広げて犬に向かって「頼むよ」と説得する様子が映っていた。

犬はしばらくのあいだ運転席から離れず、「パトカーの運転ってどんな感じ?ちょっとだけ運転させてよ!」と言っているかのような様子で粘っていた。
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ようやく説得に応じたのか、犬は助手席へと移動。しかし運転席にはたっぷりとよだれが残されていた。アンセルミ中尉は苦笑しつつも、終始穏やかに対応を続けた。

迷子犬であることが判明、無事に家に帰る
この犬には首輪もなく、どこから来たのかはその時点ではわからなかった。保安官事務所はすぐに地元の動物管理局と連携し、身元の確認を進めた。
調査の結果、犬の名前は「ボスコ(Bossco)」で、自宅の庭から抜け出して勝手に散歩に出かけていたことが判明。飼い主の元へ無事に戻され、ひとまず事件は一件落着となった。
アラパホ郡保安官事務所は公式Facebookで「ボスコは庭から抜け出してちょっとした冒険に出ていたようです」と投稿。多くの人々がほっこりとした気持ちになった。
SNSでは「警察犬デビュー?」の声も
保安官事務所が投稿した映像は、たちまちSNS上で話題となった。
「彼は“守ってくれるならまずスタバに行こう、パプカップ(犬用のおやつ)買って”って思ってたに違いないよね」
「夢は警察犬!チャンス到来と思ったんだね(笑)」
「これはもう、新しい相棒決定でしょ!」
視聴者たちは、堂々とパトカーの運転席に座るボスコの姿に癒やされ、「新しい警察犬の誕生だ」と冗談交じりにコメントしていた。

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