
この物語は父親の行方を追う殺し屋の女と、その殺し屋から雇われた情報屋の男の話である。いつも不機嫌な殺し屋の女・サイレンスは、何を考えているかわからない情報屋のスレッドに父親の捜索を依頼するのだが…。なかなか父親の行方がつかめないまま、2人はひょんなことから同居することとなる。
実はスレッドは父親の行方を早々に突き止めていた。しかし父親を殺すために血眼になって捜しているサイレンスに、そのことは教えていない。一体なぜ…!?
本作を描いたのは、『結婚しない同盟』を「アルファポリス」で連載していた漫画家・桜月(@k_sakurazuki)さんである。桜月さんに本作について話を聞いてみた。
――情報屋が主人公の本作品ですが、構想を思いついたきっかけについて教えてください。
もともとは別作品の主人公の仲間として出そうと考えていたキャラでした。しかし、話が全然まとまらず…。じゃあ、この情報屋のキャラを主人公にして作品を作ってみようと考えてみたら想定外にうまくまとまった…という裏話があります。当初は1話だけの単発の予定でしたが、気づけば12話まで続き、さらに番外編など数話を描くまでになっていました。
――物騒な世界を描いた物語ですが、作品のコンセプトは?
作品のテーマは「嫌なヤツ」です。なので、出てくるキャラはみんなちょっと嫌なヤツばかりになっています。あとは恋愛的な愛ではなく別の何かで深くつながる男女ものを描いてみたかった…というのもあり、裏の世界の物語にしたというのもあります。
――本作品は全12話の構成で完結していますが、SNSでは別の結末パターンも描かれているんですよね!
はい、別パターンの最終話として4パターン描いていて、どれも「ボツ最終話」としてpixivで読めるように無料公開しています。読者のみなさんにはいろいろな結末を楽しんでいただけたら幸いです。
――4パターンすべて、おもしろく拝見しました。桜月さんが気に入っている結末はどれなのでしょうか?
私はその1「バレて怒られる」とその2「普通に仕事を終える」が気に入っているのですが、後味が悪すぎるなと思いボツにしました。テーマが「嫌なヤツ」だったので、嫌なヤツで終わりたかったのもあります。その4の「結婚エンド」は望んでいる人がいるかもしれない!と思って描いたのですが…。望んでいた方がいらっしゃったのかはわからないです…。
スレッドがサイレンスに父親の行方を教えなかったのは、殺し屋なのに一番殺したい人を殺せずにいる姿を“傍観”し、一番いいタイミングで真相をカミングアウトして、そのときのサイレンスの表情を愉しむためだった。しかし、本人はそう言っているが、本当にそれだけのために黙っていたのだろうか…?ひょうひょうと嘘をつく情報屋・スレッド。顔色を変えずに嘘をつき、その嘘の中に真実を紛れ込ませて語る彼の心の内は誰にもわからない。これを読んだ読者は彼が吐いたセリフの中から「嘘」と「本当」を見極められるだろうか…?
取材協力:桜月(@k_sakurazuki)
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