「アベンジャーズ」シリーズをはじめ、エンターテインメント史を塗り替える超大作を次々と贈り出し、世界中に感動と興奮を届け続けてきたマーベル・スタジオ。そのマーベル・スタジオによる待望の最新作『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』が大ヒット上映中です。

本作で描かれるのは、異なる力と個性を持ち、揺るぎない家族の絆で“最強”を超えた唯一無二のヒーローチーム“ファンタスティック4”の物語。時には“家族”、時には世界中から愛されるヒーローチーム“ファンタスティック4”として活躍する彼らだったが、家族の間に“新たな命”が加わろうとしていたその時、惑星を食い尽くす規格外の巨大な敵”宇宙神ギャラクタス”の脅威が地球に迫る!ギャラクタスの狙いは、新たに生まれてくる子供だった。地球滅亡へのカウントダウンが進む中、彼らが守るのは全人類か、家族か…。一人の人間としての葛藤を抱えながらも、4人はヒーローとして立ち向かう。

日本版声優を務めた、ミスター・ファンタスティック/リード・リチャーズ役の子安武人さん、ザ・シング/ベン・グリム役の岩崎正寛さんに作品の魅力についてお話を伺いました。

――いよいよ“ファンタスティック4”の物語が始動となりますが、日本版声優に決定した時はどの様なお気持ちでしたか?

子安:ボイステストを受けるまではきっとヴィラン役だろうなと思っていたんですね。他の仕事でも悪い役が多いので当然そうだろうと、ヴィランの心持ちだったんだけど、「ミスター・ファンタスティック/リード・リチャーズです」と言われて、ちょっとちょっと、心の準備が!となりました(笑)。そこからヴィランではない気持ちに立て直すことが大変でした。
ダンディな見た目なのでロートーンなのかな?と思ったのですが、そうではなくて。きっと受からないだろうなと思いつつも、ヒーロー役で呼んでくださったことがとっても嬉しかったので、次も頑張ろうと思っていたら、後日合格をいただいて。
とても嬉しかったですし、僕がヒーロー役ってそういう世界線もあるんだな、マルチバースかな?と思いました(笑)。

岩崎:僕は正直言うと、これまでヒーロー作品をあまり観たことがなくて。でも、『ファンタスティック4』の映像を観た時に、僕でも知っているヒーローだ!と思ったんです。特徴的なデザインのキャラクターなので印象に残っていたのだと思います。ボイステストでは、僕に出来るかな?という違和感を覚えながら、ディレクションしてくださるそのままを提出して演じました。数日後に合格の連絡をいただいたのですが、その時は舞台の本番をやっている最中だったんですね。その役柄がは自分の殻にギュッと閉じこもっている様な感じのキャラクターだったので、「受かったんだ!」という喜びが、いつもよりさらに倍増していたと思います。それまで毎日閉じこもった役を演じていた分、一気に飛び上がりました(笑)。

――豪華な日本版声優さんが揃い、ファンの皆さんの反響も大きかったですね。

子安:ベンの声が本当にピッタリでいいなあ〜!と思っていました。

岩崎:嬉しいです。

子安:ザ・シングの状態での声はどんな声なんだろうな?と想像していたのですが、ベンのイメージに合わせたキャスティングなのだろうなと思って、すごくピッタリの配役だなと感じたんです。そういったピッタリな部分もあり、僕がヒーローを演じる意外性もあり、観てくださる方の想像をかきたてる吹替版なのではないかと思いますね。

岩崎:僕は吹替版を拝見して、すごく自然で驚いたんです。自分のことはさておいてですけど、もう本当にそこに4人の仲間、家族がいて、当たり前の様にドラマが入ってくる感じでした。ベンがそこにいることもすごく自然で、それぞれが自然体でいられるチームなのだなあと。

子安:一見中心にいるのはリードで、スーが表に立っているけれど、一番まとめてくれているのはベンなのかなと思いますね。リードは、実は地位が低くて(笑)。

岩崎:いえいえ!リードじゃないとリーダーは務まりませんよ。

――リードが、みんなの突然変異にちょっと後ろめたさを感じていて、でもそれを表情だけで伝えている所も素晴らしかったですね。

子安:そうなんですよね。後悔の気持ちみたいなものは持っているんですけれど、親友として心を許して喋っているっていうシーンがすごく良いんですよね。リードってベンの前では甘ったれた顔をして喋っているんですよ。本当に信頼しているんだろうなと思うし、人間味があるし、ヒューマンドラマとして楽しめる所が魅力だなと思いました。

岩崎:本当にそう思います。ヒーローアクション映画の魅力だけではなく、人間を描いているところにグッときました。僕が言うのもおこがましいですけれど、普通の日常生活や人間関係をちゃんと描いて、それも最後に向かって絆が深まっていく所が素晴らしくて。僕みたいなマーベル初心者の方にもオススメしたいです。

――この4人は今後のマーベルシリーズで大きな活躍をしてくれそうで、すごく楽しみです。

子安:世界に比べると日本ではまだファンタスティック4ってメジャーなヒーローではないかもしれませんけれど、これを機に盛り上がってくれると嬉しいなと思います。今後、アベンジャーズとどういう絡みをするのかは分かりませんが、ファンタスティック4がイニシアチブをもし取るのならば、まず本作で4人に感情移入してもらいたいなと。あと、本作の収録にあたって原作でのリードの描写を少し調べたりするのですが、なかなか過酷な展開もあり、今後の展開を見越して僕をキャスティングしてくれたのかな?と思ったり、そんなことを書いてくださっているファンの方もいたので、楽しみですしドキドキしています。

――最後の、ご自身が演じたキャラクター以外での“推し”を教えてください!

子安:僕はベンです。自分の環境に色々なことを思いながらも周りのことを気遣って、赦し、優しく生活しているというその器の大きさがカッコ良いですよね。ベンがいないと成り立たないチームだと思いますし、お互いに依存する部分は人間誰しもあるものだけど、そういった部分を許容出来たり、相手を思いやる素晴らしさを学べるキャラクターだと思います。あとは、フランクリン(リードとスーの子供)が本当に可愛いんです!みんながものすごく可愛がるのも分かります。

岩崎:フランクリン、本当に可愛いんですよね。キャラクターという意味で言えば、僕はハービーがすごくお気に入りです。最先端を行きすぎていないロボットで、血が通っている感じが可愛いですし、仲間として活躍してくれるので応援したくなります。

子安:ロボットなのにどこか懐かしいというか、本当に可愛い秀逸なデザインですよね。

岩崎:こんなロボットが家にいてくれたらなあって思います。

――今日は素敵なお話をありがとうございました!

撮影:たむらとも

『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』
宇宙でのミッション中のアクシデントで、特殊な能力を得てしまった4人の宇宙飛行士。天才科学者であり、チームのリーダー、リード・リチャーズ/ミスター・ファンタスティック(ペドロ・パスカル)は、身体がゴムのように伸縮自在となる能力と卓越した知性と発明の才能を持つ、チームのリーダー的な存在。リードのパートナーであるスー・ストーム/インビジブル・ウーマン(ヴァネッサ・カービー)は、身体を透明化する能力の持ち主で、チームの精神的支柱としてメンバーを支えるしっかり者。スーの弟、ジョニー・ストーム/ヒューマン・トーチ(ジョセフ・クイン)は、全身を炎に包み、高速で空を飛ぶことができる、若く陽気なチームのムードメーカー的存在。そして、リードの親友で、岩のような強固な身体を持つベン・グリム/ザ・シング(エボン・モス=バクラック)は、たぐいまれなる怪力の持ち主。そんな特殊能力を持つ4名で構成された彼らは、ニューヨークのバクスター・ビルに拠点を置き、時には“家族”、時にはヒーローチーム“ファンタスティック4”として活躍している。

■監督:マット・シャクマン
■キャスト:ペドロ・パスカル, ヴァネッサ・カービー, ジョセフ・クイン, エボン・モス=バクラック
■日本版声優:子安武人(ミスター・ファンタスティック)、坂本真綾(インビジブル・ウーマン)、林勇(ヒューマン・トーチ)、岩崎正寛(ザ・シング)

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映画『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』日本版声優・子安武人&岩崎正寛インタビュー「“人間”を描いているところにグッとくる」