
自身や友人の体験漫画や、子育てに関するコミックエッセイをブログ等で発表している漫画家のなかきはらあきこさん。家族とのドタバタの旅行体験記『たった2日でイタリア旅行』や、子育てに関する『里帰り出産したら大失敗した話』『娘が顔面麻痺になった話』など、ときにユーモラスに、ときにシリアスに語られる日常は、読者から共感や感心の声があがっている。本記事では、そんななかきはらさんの作品の中から、『ワケあって結婚したくありません ~プロポーズがこわい~』を紹介。本作のキャラクターやその背景について話を聞いた。
【漫画】『ワケあって結婚したくありません ~プロポーズがこわい~』を読む
33歳の倉岡ゆりは、数年来付き合っている彼のはる君と平穏で幸せな「恋人づきあい」を楽しんでいた。仕事はしんどいけれど、このままの暮らしが続けばいいな…。そんな風に思っていた矢先、はる君に不穏な動きが。どうやら彼は結婚を考え始めているようだけれど、そんな彼の気持ちにゆりは戸惑いを覚えていた。
――はる君の後輩の美咲ちゃん。はる君を狙っているようですが、「彼女とうまくいっていない」「彼女は結婚を敬遠している」と聞くと、“彼女さん”の気持ちに理解を示し味方します。どういった狙いで、彼女さん=ゆりの味方をしたのでしょうか。
なかきはらさん:美咲ちゃんは「あざとい子」なんだと思います。本人にもたぶん自覚があると思います。本音を聞き出したい時に、直球でいくんじゃなくて相手の味方になった方がいいということを感覚的に理解しているんでしょうね。
――美咲ちゃん、策士ですね。モデルはいたりしますか?
なかきはらさん:います…。が、直接の誰かというより、「あの人のあの感じ」と「あの人のあの感じ」と…という感じで、自分の出会ってきた「あざとい子」の集合体のイメージです。でも、そういう子って「完璧!」っていうより、ちょっとセッカチだったり、詰めが甘かったりするなーと思ってて、そういう感じも美咲ちゃんには出ていると思います。
――一方ゆりは、医者と結婚した桜庭先輩にいつも結婚マウントを取られて辟易しています。33歳のゆりは周囲から「結婚」の価値観を押し付けられることになんだかなぁと思っていますが、けっこう現実でもこういったシーンはありますよね。ご自身や周囲でもあったりしましたか?
なかきはらさん:あります。本人はマウントとは思っておらず、むしろ心配とか謙遜のつもりなのかもしれないのですが…。「結婚が当たり前の世代」の親から産まれた「結婚が当たり前じゃない世代」からすると、結婚しないことを選択するのは、すごく不安だし怖い。
私自身も30代に入ってから、結婚の話になるたびにモヤモヤしたし悩んでいました。でも、ゆりみたいに「それでも私は私」って思えるようになったからこそ漫画にしようと思いました。
結婚願望のないゆりと、結婚を考え始めている彼氏。そんな2人に、後輩女子の影が忍び寄る。しかも彼女は「こんな扱いやすい人と結婚できたら人生イージーモードじゃない?」という物騒な考えのようだ。折悪くゆりの仕事が込み合うタイミングが重なってしまい…。結婚に対しての温度感が違う2人は、この先どうなっていくのだろうか。目が離せない。
取材協力:なかきはらあきこ(@nakakihara_hibi)
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