【写真・画像】王位3 1枚目

 将棋の伊藤園お~いお茶杯第66期王位戦七番勝負が7月29・30の両日に北海道千歳市で指され、藤井聡太王位(竜王、名人、王座、棋聖、棋王、王将、23)が挑戦者の永瀬拓矢九段(32)に88手で勝利し、6連覇に“王手”をかけた。次戦で防衛を決めるか、永瀬九段が一矢報いるか。注目の第4局は8月19・20日に福岡県宗像市の「宗像ユリックス」で指される。

【映像】藤井王位が勝利した瞬間の表情

 今月19日に誕生日を迎えた藤井王位が、23歳初白星で防衛まであと一勝に迫った。これまでの2局とは変わり、先手矢倉、後手雁木の持久戦が選ばれた本局は、互いの構想を探るようにスローペースで進行した。1日目の夕方に藤井王位が仕掛けたものの、指し掛けを経て迎えた2日目も中盤の難所とあり、展開はジリジリと繊細な駆け引きが繰り広げられていた。

 永瀬九段は後手の銀を目掛けて銀をぶつけて踏み込んだが、藤井王位はふわりとかわす選択。ここから徐々に均衡が崩れ、ABEMAの「SHOGI AI」も藤井王位側に傾きを見せるようになった。積極的に駒を動かしていった永瀬九段だったが、藤井王位はそれらを受け流しつつ陣形を整備。永瀬九段にとっては苦しい終盤戦となった。

 指し手が難しい永瀬九段に対し、藤井王位は無理のない手を重ねてリードを拡大。中央から堂々と踏み込むと、後手陣を包み込んでいった。永瀬九段は反撃の道を模索したものの、先手陣は銀が壁になり身動きを取ることができない。藤井王位はここでも正確無比な指し回しで先手の弱点をピンポイントで攻めきり、華麗に勝利を飾った。

【写真・画像】藤井聡太王位、23歳初白星で6連覇王手!永瀬拓矢九段を破り“真夏の七番勝負”3連勝/将棋・王位戦第3局 2枚目

 勝利した藤井王位は、「序中盤の手の組み合わせが非常に難しく、考えていてもわからないところが多かったのでしっかり振り返りたい」と総括。「4局は少し間が空くので、しっかりと良い状態で臨めるように次局に向けて取り組んでいきたい」と静かに次戦を見据えていた。

 一方、3連敗で後がなくなった永瀬九段は、「先手が主張できるか難しいかと思っていたが、中盤の組み立てが良くなかった気がすると思うので改善点が多いのかなと思う」とコメントしていた。

 この結果、シリーズ成績は藤井王位の3勝0敗。防衛6連覇に“王手”をかけた。8月19・20日に宗像市で行われる第4局が決着局となるのか、挑戦者の永瀬九段が踏ん張るのか。熱戦続きの“真夏の七番勝負”から、ますます目が離せない。
(ABEMA/将棋チャンネルより) 

藤井聡太王位、23歳初白星で6連覇王手!永瀬拓矢九段を破り“真夏の七番勝負”3連勝/将棋・王位戦第3局