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プロセスマイニングとプロセスインテリジェンスのグローバルリーダーであるCelonis株式会社は、2025年7月9日(水)に「Process Intelligence Day Tokyo 2025」を開催します。本イベントでは、プロセスインテリジェンスがAIの活用、ビジネスプロセスの改善、パフォーマンスの向上にどのように役立つかについて多数のセッションを実施した。

■オープニング
イベントは、Celonis株式会社 代表取締役社長の村瀬 将思 氏の挨拶から始まった。「Process Intelligence Day」は世界の24都市で開催されるイベントであり、東京は20番目の開催となる。村瀬氏は「日本が世界で最大規模の開催となりました。」とイベントの規模を強調した。さらにCelonis 共同創業者/共同CEOのバスティアン・ノミナヘル 氏が来日しており、バスティアン氏の基調講演から始まることを明らかにした。

Celonis013Celonis株式会社 代表取締役社長の村瀬 将思 氏

〇 Celonis創設の理由とプロセスマイニングの可能性
バスティアン氏はCelonis創設の理由とプロセスマイニングの可能性について説明した。Celonisはドイツ・ミュンヘンで2011年に設立された、プロセスマイニング分野の企業だ。

ミュンヘン工科大学(TUM)の学生だったアレクサンダー・リンケ氏、バスティアン・ノミナヘル氏、マーティン・クレンク氏の3人が、大学の学生コンサルティング団体(Academy Consult Munich)を通じて、Bayerischer Rundfunk(バイエルン放送)のITサポートプロセス改善プロジェクトを担当。この実務経験の中で、「イベントログ」データを分析し、プロセスの可視化に大きな価値があることに気づき、同社を設立することになった。現在、ドイツのミュンヘンとアメリカのニューヨーク市に本社を構え、世界中に20以上のオフィスを展開している。

Celonisが提供するプロセスマイニングは、業務システムに記録されたイベントログをもとに、実際の業務プロセスを可視化・分析・改善するための技術である。単なる可視化にとどまらず、Celonisは「Execution Management System(EMS)」というフレームワークを通じて、プロセスの最適化・自動化・リアルタイムでの修正を可能にしている。

これにより、業務プロセスの事実ベースでの可視化や、ボトルネックおよび非効率の発見、改善提案が可能となる。また、生成AI(例:CopilotやAgentC)と組み合わせることで、改善策の自動生成やレポートの自動作成も実現できる。製造、物流、金融、医療、小売、公共、教育など、あらゆる業種への導入が可能であり、特にグローバル企業においては、国や拠点ごとに異なる運用の統一・標準化を図るうえで、極めて強力なソリューションとなっている。

Celonis031Celonis 共同創業者/共同CEOのバスティアン・ノミナヘル 氏

〇「No AI without PI」に対する各社の最新の取り組み
基調講演後半には、富士通株式会社 執行役員専務 プラットフォームビジネスグループ長の古賀 一司 氏、日本電気株式会社 執行役 Corporate EVP 兼 CIO の小玉 浩 氏、日本オラクル株式会社 取締役 執行役社長の三澤 智光 氏に登壇して、「No AI without PI」に対する各社の最新の取り組みについて語った。

富士通は、業務の効率化とコスト削減に向けた取り組みについて説明した。まず、通常配送の仕組みを見直し、顧客指定の時間に合わせた配送に切り替えることで、物流の効率化を図った。さらに、AIを活用して発注判断を支援し、情報が不足している場合にはアラートを出す仕組みを導入した。加えて、部品在庫の管理を徹底し、過剰発注を抑制するとともに、余剰部品の有効活用やセット販売を推進することで、さらなる効率化を実現した。

Celonis198富士通株式会社 執行役員専務 プラットフォームビジネスグループ長の古賀 一司 氏

日本電気(NEC)が掲げる「仮想的なOne NEC System化」は、グループ全体のITシステムを一つの仮想プラットフォームに統合し、業務効率の向上とユーザー体験の革新を目指す構想である。その狙いは、業務プロセスの透明化、重複や属人的な運用の排除、グループ内におけるIT投資の効率化、そして全体的な生産性および顧客満足度の向上にある。統合にあたっては、API連携、ローコード開発、大規模なID・アクセス管理、プロセスマイニング、AI連携などの先端技術が活用されている。

NECは同社のデータドリブン経営を次のステージに押し上げる施策として、プロセスマイニングに着目。Celonisとともにプロセスマイニングに取り組み、2022年のCEO初面談から継続的に関係性を強化、新たな価値創出に向け両社一体となって推進している状況だ。プロセスマイニングにより、業務そのものや新規導入のシステムに様々なカイゼンを実施。本体期待する効果が得られるようになり、GP率が飛躍的に向上したことを発表した。
今後は、ありとあらゆる猟奇へのAIの浸透、AIが持つパワーをフル活用するため、Celonisとのパートナーシップをより強化していく構えだ。

Celonis207日本電気株式会社 執行役 Corporate EVP 兼 CIO の小玉 浩 氏

日本オラクルは、業務アプリケーションのクラウドネイティブSaaS化において、圧倒的な実績を有していることを強調した。
「Oracle Value Scanner」は、Celonisが提供するツールであり、主にOracle ERP(Oracle FusionやOracle E-Business Suiteなど)を利用する企業を対象に、現行システム内に埋もれている“価値”を可視化し、戦略的な移行ロードマップの策定を支援するものである。このツールを活用することで、企業は現在の業務プロセスやカスタマイズの実態を迅速に把握でき、どこに改善の余地やリスクが存在するのかを明確にすることが可能となる。

Celonis259日本オラクル株式会社 取締役 執行役社長の三澤 智光 氏

■メディアラウンドテーブル
〇Celonisの進化とビジョン
Celonis 共同創業者/共同CEOのバスティアン・ノミナヘル 氏は、Celonisの進化とビジョンを説明した。

Celonis364Celonis 共同創業者/共同CEOのバスティアン・ノミナヘル 氏

Celonisは、人々、企業、そして地球のためにプロセスの改善を実現する企業だ。ドイツ・ミュンヘンおよびアメリカ・ニューヨーク市に本社を構え、世界20か所以上に拠点を展開している。プロセスマイニングとAIを搭載した「Celonis Process Intelligence Platform」は、プロセスデータとビジネスコンテキストを組み合わせ、人とプロセス、チーム間、AIとビジネスを有機的に結びつけることで、企業の「生きたデジタルツイン」を提供する。

企業が抱える様々な問題を解決するためには、プロセスマイニングとAIの力は必要不可欠だ。Celonisを導入すれば、ビジネスの可視化、オペレーションの最適化を実現。トップライン、ボトムライン、そして環境負荷(グリーンライン)のすべてにおいて高い価値を創出できる。現在、Forbes Global 2000の上位200社の半数を含む、世界中の数千社がCelonisを導入している。

〇FY26の注目製品
Celonis株式会社 バリューエンジニアリング統括本部 統括本部長の森 秀之 氏は、FY26の注目製品について説明した。

Celonis371Celonis株式会社 バリューエンジニアリング統括本部 統括本部長の森 秀之 氏

同社は年次イベント「Celonis:Next 2025」において、自社のプロセスインテリジェンス(PI)プラットフォームがどのように企業のAI導入からROIを最大化するかを実演した。これは、AIエージェントが人と共に働き、サポートする未来で成功するために必要不可欠なことだ。

人間が仕事をするために適切な情報が必要なように、AIもビジネスを理解する必要がある。AgentC(エージェンシー)スイートのアップデート、Orchestration Engineの取得、そして複数のプラットフォーム進化により、Celonisは企業が効果的なAIエージェントを構築し、エンドツーエンドのビジネスプロセスを調整し、PIとAIを企業全体に簡単に導入できる方法を示した。

主要製品は、「AI + PI」「Celonis プラットフォーム」に大別される。
「AI + PI」
・AI + PI = Max ROI
・AI + PI in action(Celonisソリューションスイート)
「Celonis プラットフォーム」
・リアルタイム・データ処理
・構築と分析の高速化

AI + PI = Max ROI
「AI + PI = Max ROI」は、Celonisが提唱する戦略コンセプトで、AI(人工知能)を最大限に活用するためには、PI(プロセスインテリジェンス=業務の可視化と理解)が不可欠であるという考え方だ。業務プロセスの実態を把握したうえでAIを組み合わせることで、改善策の自動提案や実行が可能になり、業務効率や収益性といった投資対効果(ROI)を最大化できるという意味を持つ。

AI + PI in action(Celonisソリューションスイート)
Celonisが提供するプロセスマイニング(PI)とAIを組み合わせた業務変革ソリューション群だ。プロセスの実態を可視化する「Process Intelligence Graph」を基盤に、生成AI「Copilot」や自動実行エンジン「AgentC」などを活用し、業務の課題発見から改善・自動化までを実行可能にする。これにより、企業はリアルタイムな業務最適化と高いROIを実現できる。サプライチェーン、ファイナンス、フロントオフィス、サステナビリティなど、企業の中核業務に最大のインパクトをもたらす。

リアルタイム・データ処理
ERPやCRMなどの業務システムと連携し、業務プロセスの動きをリアルタイムで可視化・分析する機能だ。ボトルネックや異常を即座に検知し、AIが自動で改善アクションを実行。業務の最適化を「その場で」実現できる。

構築と分析の高速化
イベントログをリアルタイムに生成し、即時にプロセス分析を実行する。直感的なインターフェイスで、ダッシュボードを、さらに簡単かつ人訴kに作成する。Celonis Process Mining(CPM)との統合により、業務プロセスのマイニングとモデリングをシームレスに実現する。

Celonis348左がCelonis株式会社 バリューエンジニアリング統括本部 統括本部長の森 秀之 氏、右がCelonis 共同創業者/共同CEOのバスティアン・ノミナヘル 氏

<Process Intelligence Day Tokyo 2025 概要>
開催日時:2025年7月9日(水)10:00~17:00(9:00開場)
会場: ANAインターコンチネンタルホテル東京(アクセス)

Celonis株式会社

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