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 今年もWWE真夏のスーパーイベント『サマースラム』の季節がやってきた。

【映像】女子世界王座へ! イヨ・スカイ直前インタビュー

 『サマースラム』は1988年に第1回大会が行われ、今年で38回目を迎える歴史あるイベント。WWEの5大PLE(プレミアム・ライブ・イベント)の一つに数えられ、世界最大のプロレスイベント『レッスルマニア』に次ぐ規模のイベントと言われているが、今年の『サマースラム』はひと味もふた味も違う。

 史上初めて(日本時間の)8月3日、4日の2日間開催され、会場は8万人以上の収容人数を誇るニューヨーク郊外、ニュージャージー州メットライフ・スタジアム。この会場は2019年に『レッスルマニア35』が8万2265人の大観衆を集めて開催された会場であり、その時は1日開催。今年の『レッスルマニア41』はラスベガスのアレジアント・スタジアムで2日間合計12万4693人が詰めかけたが、『サマースラム』はそれを上回る2日間で約16万人の来場を予定している。

 いわば“真夏のレッスルマニア”であり、レッスルマニアと同等かそれ以上の規模で開催される“史上最大のサマースラム”なのである。

 この過去最大規模の『サマースラム』で、女子世界王座戦というメインカードの一つに名を連ねているのが、日本人女子スーパースターのイヨ・スカイだ。

 イヨ・スカイは今年の『レッスルマニア41』でも女子世界王者として、リア・リプリー、ビアンカ・ベレアとのトリプルスレットマッチに出場。ビアンカを必殺のムーンサルトプレスでピンフォールし、見事王座防衛に成功しただけでなく、多くの人から「『レッスルマニア41』のベストバウト」と言われるほどの名勝負を残した。

 今年の『レッスルマニア41』を現地で生観戦したWWEホール・オブ・フェーマーの武藤敬司も次のような最大の賛辞を送っている。

 「(「レッスルマニア41」は)全部の試合が良かったけど、俺が見た感想ではベストバウトはイヨ・スカイの試合だったよ。お客さまとの一体感もすごかったし、イヨ・スカイはお客さまのハートを完璧につかんでるよね。(フィニッシュの)ムーンサルトなんか俺のムーンサルトより全然美しいよ」

 イヨ・スカイ自身、当日のバックステージでWWE最高執行責任者トリプルHや、レジェンドのストーンコールド・スティーブ・オースチンを始め、多くの人たちから称賛を浴びたと語っている。いまのイヨ・スカイはそうそうたるレジェンドも認める、世界最高の女子プロレスラーの一人なのである。

 イヨ・スカイ7月14日『エボリューション』のメインイベントで、最大のライバルであるリア・リプリーを相手に女子世界王座防衛戦を行った。『エボリューション』は7年ぶりに開催された女子限定のPLE。ウィメンズ・ディビジョン女子部門)の素晴らしさを世に問うこの大会のメインイベントを務めるということは、この試合の評価が女子全体の評価に直結する責任重大な立場だ。

 そんな巨大なプレッシャーを背負いながら、イヨはリア・リプリーと大激闘を展開。最後はマネー・イン・ザ・バンクの「いつでも王座に挑戦できる権利」を持つナオミのキャッシュイン(権利行使)を許し、まさかの王座陥落となったが、試合自体はウィメンズ・ディビジョン史上最高との声も上がる名勝負をやってのけ、さらにその評価を上げた。

 そして『サマースラム』では、そのリベンジマッチともいえる、王者ナオミ、リア・リプリーとのトリプルスレットマッチでの女子世界王座戦が決定。RAWのアダム・ピアーズGMはこのカードを発表する際、「史上最大のサマースラムだ。エボリューションを越えなければダメだ。メットライフ・スタジアムを爆発させるぞ。サマースラムで伝説を作れ!」と興奮気味に絶叫し、3者にハッパをかけた。

 今年『サマースラム』が開催されるメットライフ・スタジアムは、2019年に史上初めて、そして現在のところ唯一『レッスルマニア』のメインイベントを女子の試合が飾った、言わばウィメンズ・ディビジョンの聖地。

 ここでイヨ・スカイは、リア・リプリー、ナオミとともに過去のあらゆる試合を超えた新たな伝説を作ろうとしている。そんな歴史的瞬間を見逃すわけにはいかないだろう。

文/堀江ガンツ
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イヨ・スカイ、日本が世界に誇る“名勝負製造機”が創り出す新たな伝説に期待 過去最大規模の『サマースラム』で女子世界王座の頂点へ