
まさに大金星だ。
現地時間7月29日、カナダ・モントリオールで「ナショナルバンク・オープン」の女子シングルス2回戦が行われ、予選勝者の伊藤あおい(世界ランク110位)は、第7シードのジャスミン・パオリーニ(イタリア/同9位)に2-6、7-5、7-6(5)で勝利。第2セットでマッチポイントを握られながらも、そこから見事な逆転劇で3回戦進出を決めた。
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世界的にパワーテニスが主流の中、フォアハンドのスライスを多用し、ムーンボールやネットプレーも巧みに織り交ぜるなど、独自のトリッキーなスタイルを貫く21歳の伊藤。トップ10選手との初対決に臨んだこの日は、2024年全仏、ウィンブルドン準優勝のパオリーニから67本ものアンフォーストエラーを誘い、その予測不能な戦いぶりがテニス界に衝撃を与えている。
試合後、結果を速報したWTA公式サイトは、「どの選手とも違う、型破りなレパートリーを持つ」と伊藤の特異なプレースタイルに注目。「時折見せる奇妙な輝きで観衆を魅了していた」と第2セット途中までの印象を書き始めると、崖っぷちからの粘り強さにも驚いたようで、記事の終盤では、この試合で強く心に残る5ポイントが紹介された。
その中で特に同サイトを驚かせているのは、マッチポイントでの大胆なプレーだ。静かにリターンのポジションを上げていた伊藤は、バックハンドでストレートに強打し、完璧なバックボレーでフィニッシュ。記事内では、「ロジャー・フェデラーを彷彿とさせるSABR(サーバーの意表を突く早いタイミングでの奇襲リターン)だった」と称賛されている。
3回戦の相手は、2回戦で第26シードのアシュリン・クルーガー(アメリカ/同29位)を下したジェシカ・ブザス・マネイロ(スペイン/同51位)。ツアーで特別な存在感を放つ伊藤だが、次戦でも旋風を巻き起こせるか、彼女への期待は膨らむばかりだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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