
「エリート夫」と「無職夫」。正反対の夫を持つ妻たちに巻き起こる騒動とは!? SNSで話題沸騰のファミリーサスペンス『どちらかの家庭が崩壊する漫画』(横山了一/KADOKAWA)。娘のリエが生まれ、幸せ絶頂なはずの薬師寺家の妻ユイ。ところが、善意を押し付ける義母、マザコン夫シュウの不倫など、穏やかではない出来事が次々と降りかかり、我慢を強いられ…。そんなとき、助っ人として現れたのが毒山(ぶすやま)夫妻だった。コワモテのゴン&ヤンキー口調のマリンの協力を得て、ユイは不倫夫、そして非常識な義母を成敗できるのか? さまざまな家庭トラブルに共感しつつ、毒山家による堂々たる格闘とギャグで読後はスカッとした気分に! “モヤモヤ”と“スリル”が止まらない本作への想いを著者の横山了一さんに聞いた。
――義母の聡子は「ニタァ」と笑う薄気味悪さが特徴のキャラ。横山さんの妻で、漫画家の加藤マユミさんからのアドバイスでキャラ設定をしたそうですね。
横山了一さん(以下、横山):義母に対する僕の解像度が低かったので。嫌われる義母ってイヤなことを言ってくるようなイメージでしたけど、妻からは「良かれと思ってしていることが迷惑になるのがリアルだ」と言われて納得しました。悪気はないけど、離乳食を勝手に手づくりするとか、自分が口に入れたスプーンを孫に使おうとするとか、今の世代からすると勘弁してほしいようなことをして、世代間ギャップが軋轢を生んでしまう。そのリアルな部分をダメな義母キャラとして描きました。
――「自分が合っている」と信じて疑わないようなタイプですね。だから、いつまで経っても育児の常識がアップデートされない。
横山:はい。センスの悪い子ども服を買ってきて、孫に着させようとしたりとか。
――あの服イメージはどこからですか?
横山:あれは80年代っぽい服をネット検索して参考にしたんです。デパートで売っているから質はいいんだけどダサい。そんな絶妙な服をイメージして描きました。
取材・文=吉田あき

コメント