
理化学研究所(理研)などの共同研究グループは7月30日、スパコン「富岳」と2台の次世代気象レーダーを用いたリアルタイム降水予報の実証実験を行うと発表した。8月5日から8月31日まで、大阪・関西万博会場やその周辺のゲリラ豪雨予報を行う。
NICT未来ICT研究所(兵庫県神戸市)と大阪大学吹田キャンパス(大阪府吹田市)にマルチパラメータ・フェーズドアレイ気象レーダー(MP-PAWR)を設置。大容量のレーダー観測データをリアルタイムに富岳に取り込むことで、大阪・関西万博会場と周辺地域のゲリラ豪雨を30秒ごとに30分先まで予測する。
観測したデータは防災科研が開発した高精度な3次元雨量推定技術を適用し、PFNが開発したデータ圧縮・配信プラットフォーム「きゅむろん」を通じて、圧縮された状態で理研に配信する。理研では富岳を用いて世界で初めて2台のMP-PAWRの観測データを使った降水予報計算を実行し、リアルタイムで豪雨予測を行う。
「2台のMP-PAWRで異なる方向から雨雲観測を行うことで降雨による電波の減衰の影響を改善するほか、雨粒の移動速度を2方向から計測することにより、予測精度の向上が期待できる」としている。
実証実験で得る予報データは、理研の天気予報研究のWebページやエムティーアイのスマートフォンアプリ「3D雨雲ウォッチ」(iOS、Android)で公開する。

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