「明治安田Jリーグワールドチャレンジ2025 presented by 日本財団」のゲームが30日に行われ、横浜F・マリノスリヴァプールが対戦した。

 2024-25シーズンのプレミアリーグを制したリヴァプールが、FIFAクラブワールドカップ2005以来、約20年ぶりに来日。今夏のプレシーズン期間では、ここまでプレストン・ノースエンド、ストーク、ミランとの試合を行ってきた。4試合目の今回は日本の『日産スタジアム』で横浜FMと対戦する。

 リヴァプールはクラブの“顔”でもあるフィルジル・ファン・ダイクモハメド・サラーに加えて、フロリアン・ヴィルツら今夏の新戦力も4名がスターティングメンバーに名を連ねる。遠藤航はベンチから出番を待つ形となった。一方の横浜FMは、今季2度目の2連勝を達成した2025明治安田J1リーグ第24節名古屋グランパス戦から3名を入れ替え。同試合でゴールを決める鮮烈なデビューを飾った谷村海那が先発に名を連ね、同じく夏の新戦力であるディーン・デイビッドとユーリ・アラウージョもベンチに入った。

 試合前には、今月3日に28歳の若さで亡くなったディオゴ・ジョッタと、弟のアンドレを追悼。リヴァプールレジェンドとして知られるイアン・ラッシュ氏が姿を見せ、リヴァプールのゴール裏に献花をした。

 キックオフ後には横浜FMがゴールに迫り、2分には左サイドを縦に破ったエウベルからのクロスボールに、天野純が飛び込むも、左足で合わせたボレーシュートは味方に当たってわずかに枠の外へ。

 20分を経過すると、ジョッタの背番号20にちなんでジョッタの個人チャントも歌われ、ファン・サポーターによるスタンディングオベーションで追悼が実施。そんなリヴァプールモハメド・サラーやドミニク・ソボスライ、コーディ・ガクポらがチャンスに絡んでいくも、なかなか横浜FMをこじ開けることができないまま、時計の針が進む。

 前半の32分には、横浜FMが3名のメンバーチェンジを行う。デイビッド、アラウージョ、宮市をピッチへ送り出すと、新加入の2人が早速チャンスに絡んでいく。36分、高い位置でのボール奪取から、アラウージョが仕掛けるも、1対1の対応はファン・ダイクが上手で突破はならず。40分にはヤン・マテウスとのパス交換から、デイビッドがヘディングシュートを狙ったが、ここはGKギオルギ・ママルダシュヴィリに弾き出される。前半はスコアレスで終了した。

 後半に入ると、横浜FMは前半途中に投入された3名を除く8名を交代し、スタメン11名全選手を変更。一方のリヴァプールは、ライアン・フラーフェンベルフとウーゴ・エキティケに代えてカーティス・ジョーンズとダルウィン・ヌニェスを投入する。すると52分、サラーのパスから裏を取ったヌニェスに決定機が訪れるも、左足で合わせたシュートはわずかに枠を外れる。

 均衡が破れたのは55分。左サイド大外でボールを持った井上健太が中央へ繋ぐと、内側のポジションを取った加藤蓮が絶妙なスルーパス。抜け出した植中朝日が冷静に左足で流し込み、横浜FMが先手を取った。

 先手を取られたリヴァプールは60分、ファン・ダイクに代えて遠藤航を投入し、キャプテンマークが遠藤の腕に巻かれる。この直後の62分、カーティス・ジョーンズが渡辺皓太からの横パスをインターセプトしたところから一気にカウンターへ転じる。右サイドを走ったサラー折り返しジョーンズがうまく繋ぐと、最後は後ろから走り込んできたヴィルツがゴールネットを揺らした。

 勢いに乗るリヴァプールは68分、アレクシス・マック・アリスターが右へ広げ、ボックス幅でボールを持ったジェレミーフリンポンが浮き球のクロスボールを送ると、最後はファーサイドから飛び込んだトレイ・ニョニが押し込んで逆転に成功。1点をリードして迎えた終盤の87分には、16歳のリオ・ングモハがカウンターアタックからドリブルで仕留め、リヴァプールがトドメを刺した。

 試合はこのままタイムアップ。リヴァプールが3-1で横浜FMを下した。

【スコア】
横浜F・マリノス 1-3 リヴァプール

【得点者】
1-0 55分 植中朝日(横浜F・マリノス)
1-1 62分 フロリアン・ヴィル(リヴァプール)
1-2 68分 トレイ・ナイオニ(リヴァプール)
1-3 87分 リオ・ングモハ(リヴァプール)

スターティングメンバー
横浜F・マリノス(4-2-3-1)
GK:朴一圭(46分 木村凌也)
DF:松原健(46分 サンディ・ウォルシュ)、ジェイソン・キニョーネス(46分 諏訪間幸成)、トーマス・デン(32分 宮市亮)(71分 山村和也)、鈴木冬一(46分 加藤蓮)
MF:喜田拓也(46分 渡辺皓太)、ジャン・クルード(46分 山根陸);天野純(46分 植中朝日)
FW:ヤン・マテウス(46分 井上健太)、谷村海那(32分 ディーン・デイビッド)(71分 浅田大翔)、エウベル(32分 ユーリ・アラウージョ)(71分 松村晃助)

リヴァプール(4-3-3)
GK:ギオルギ・ママルダシュヴィリ
DF:コナ・ブラッドリー(65分 ジェレミ・フリンポン)、イブライマ・コナテ(65分 コスタス・ツィミカス)、フィルジル・ファン・ダイク(60分 遠藤航)、ミロシュ・ケルケズ(65分 アンドリュ・ロバートソン)
MF:ライアン・フラーフェンベルフ(46分 カーティス・ジョーンズ)、フロリアン・ヴィルツ(65分 アレクシス・マック・アリスター)、ドミニク・ソボスライ(65分 ハーヴェ・エリオット)
FW:モハメド・サラー(65分 リオ・ングモハ)、ウーゴ・エキティケ(46分 ダルウィン・ヌニェス)、コーディ・ガクポ(65分 トレイ・ニョニ)

【ゴール動画】横浜FMが華麗な先制弾も、リヴァプールが3発逆転

同点ゴールを決めたヴィルツ(中央) [写真]=金田慎平