昼間は延々と続く無意味な会議、夕方から深夜まで残業漬けで業務をこなす――。投稿を寄せた50代男性(東京都)は、そんな常軌を逸した職場環境に見切りをつけ、わずか1か月で退職したという。

男性は地方で長年クリエイティブ系の仕事をしていたが、家庭の事情や自身の健康面の問題から離職した。それらが落ち着いた数年後、復職を目指す。「年齢的にも以前のような仕事に就くのは難しいと覚悟していた」というが、運良く似たような仕事をする会社に就職できた。

「しかし、その会社は覇気がなく、他の社員の話ではこの一年間でリストラではなく、自主退職によって9割の社員が辞めていったとのことでした。だから私のことも採用せざるを得なかったのかと納得したものです」

1年で9割が辞めるなど、常軌を逸している。案の定いざ入社してみると、その会社の実態に男性は呆れ果てた。(文:西荻西子)

連日「先生」の説法を聞かされる「来賓会議」

その会社は、かつて100人ほどのスタッフが在籍していたが、男性の入社当時はほとんどの人材が辞めた後だった。それにもかかわらず、社長の態度は昔のままだったという。

「今や10名にも満たない社員しかいないのに、社長室でふんぞり返り、部長にあれこれ命令するだけで、社員と直接話そうともしない。用事があるなら部長を通せとか、とにかく横柄な態度ばかり」

さらに男性を驚かせたのは、「先生」と称する人物たちの存在だった。

「毎日のように様々な先生を会社に招き、その先生とらやの説法を聞かせる時間を、来賓会議と銘打って連日行われていました」

男性は「経営者が“先生”と呼ぶ人が多い会社には要注意」と、かつての仕事上の師匠から教えられていた。その理由は、

「経営者がバックにいる数多くの先生を喜ばせるため、本来の仕事以外の接待や会社と関係ない業務のために、社員の労力が割かれてしまうから」

ということだった。また「先生の虎の威を借りて、自分を大きく見せようとする小物が多い」とも指摘された。

まさに社内は、その言葉通りの状況になっていたようだ。というのも、この「来賓会議」が終わっても、さらなる会議が続いたというのだ。

「来賓会議が終わると、個々の業務報告のための会議、目標発表の会議、毎日のいち気づきを発表する会議など、とにかく毎日会議ばかりしてるのです」

業務を圧迫する“会議のための会議”

会議ばかりしていれば、日常業務がこなせるはずもない。「まるで会議のために会社に行っているようで、個々の業務は夕方から始めて、夜中まで残業してこなす始末」だと男性は語る。まさに本末転倒な状況だった。

「挙句の果てには『次の会議の議題を決める会議』とか『新しい業務を考える会議』など、会議を開いてゼロから何かを決めようとするものまで。通常なら個人や部署である程度まとめ、議題に上げるようなものを、何もない状態から会議で決めようというのですから、なんの意見も出るわけがありません」

恐ろしいことに、会議のための会議がとコントのように延々開かれていたのだ。このような状況に男性は

「そんなことを真剣にやらせる社長と、そんな社長を『あの人はまるで神』と崇める部長に呆れ、ひと月も経たないうちに見切りをつけてしまいました」

と、早々に退職したことを明かしている。

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職場の会議がムダすぎる!「次の会議の議題を決める会議」にウンザリして1ヶ月で見切りをつけた男性