
ホラー漫画「水ムーちゃんねる 隣の晩怖談」で注目を集める漫画家、水村友哉さん(@gontanopoo)。彼が手掛けるのは、実際に耳にした、集めた、あるいは自らが体験した「実話怪談」だ。今回は、「隣の晩怖談」の中から「鳩の鳴く家」というエピソードを紹介しつつ、水村さんに制作の背景について尋ねた。
■首のない鳩と逆さの男:日常に潜む不気味な出来事
この「鳩の鳴く家」のエピソードは、水村さんが法事の際に親族から聞いたという、彼の叔父の幼少期の体験談がもとになっている。物語の語り手である叔父が、母や兄妹と暮らしていた家では鳩を飼っていた。ある日、檻の中で異常な鳴き方をする鳩を外へ放すと、その鳩は普段と異なる不自然な飛び方で空中を旋回し始めたという。そして、そのうちの一羽が電柱に絡まり、首を落としてしまう。
驚きながらも鳩の姿を探すが見つからず、困惑していたその夜、隣に住む老婆が「これ、あんたのところのじゃないか」と言いながら、なんと袋に入った鳩の死骸を持って現れるという不気味な展開が描かれる。
水村さんは、漫画家としての自身の原点として、故・水木しげるさんの『ゲゲゲの鬼太郎』を挙げている。幼い頃から妖怪やお化けに魅せられ、描き続けてきたという。そして現在、取材を通して集めた実話を基に、「少し笑えて、しかししっかりと怖い」、そんな「日常の中の異物」を描く独自のスタイルを確立した。
今回紹介する『隣の晩怖談』は、某有名テレビ番組にインスパイアされており、作中には語り部として魔除けの象徴であるフクロウ「水ムー」が登場する。YouTubeの怪談チャンネルを思わせる演出も、この作品ならではの魅力となっている。
リアルな恐怖は、実は私たちのすぐ隣にあるのかもしれない。2025年3月28日に発売された第4巻には、身近で起こった不可解なエピソードが6篇収録されている。ホラーが好きな人にはぜひ読んでみてほしい作品だ。
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