現在放送中のドラマ「僕達はまだその星の校則を知らない」(毎週月曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)は、独特な感性を持つ弁護士・白鳥健治(磯村勇斗)がスクールロイヤーとして、共学化したばかりの私立高校「濱ソラリス高校」へと派遣され、若者たちと向き合っていくというヒューマンドラマだ。今回WEBザテレビジョンでは、本作に登場する高校生・藤村省吾を演じる日向亘にインタビューを実施。作品に関することだけでなく、仕事をするにあたって大切にしていることなどについて話を伺った。

【写真】制服姿の日向亘、クールなまなざしの全身ショット(撮りおろし12枚)

■藤村省吾に感じる純粋さ「演じてきた中でも共通点が多い役」

――「僕達はまだその星の校則を知らない」への出演が決まった時の気持ちを教えてください。

すごくうれしかったです。学生役を最後に演じたのが10代の頃だったこともあり、20代になってはじめての学生役は自分の中でも楽しみな部分がたくさんありました。

――本作では磯村勇斗さん、稲垣吾郎さんなども出演されています。実際に共演してみていかがでしたか?

おふたりとも第一線で活躍されている方なので、最初はかなり緊張しました。ですが作品のことを大切にする姿勢や、さまざまなことを考えながら撮影に臨んでいることがこちらにも伝わってきて、すごく勉強になりました。

――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

雰囲気はとても良いです。現場のコミュニケーションが円滑に進むよう磯村さんが工夫してくださっているので、皆が変に気負わず、リラックスして撮影に臨めているのではないかなと思います。

――本作で日向さんが演じる藤村省吾は、どのような人物なのか教えてください。

物語の舞台である「濱ソラリス高校」は、男子校と女子校が合併したばかりの学校なので、最初はかなりネガティブな意見が飛び交っているんです。でも僕が演じる藤村省吾は、その中でも共学化に対しポジティブな意見を抱いていて、“青春を誰よりも楽しもうとしている純粋な男の子”という印象を受けました。

――日向さんと藤村省吾で、どこか重なる部分や似ているところはありますか?

「いいじゃん!やってみようよ!」といったような変化を楽しめるところや、好奇心旺盛な部分は似ていると思いますし、自分とも重なりますね。

――藤村省吾を演じるにあたり、事前に準備したことや意識したことは?

先ほどお話した通り、僕が演じてきた中でもかなり共通点が多い役だったので、役を作り込むというよりは、自分の中にある感情を大切にしてお芝居することを心がけました。

――第2話は藤村省吾がメインで活躍する回だったと思います。印象的だったシーンや心に残った場面はありますか?

第2話では藤村が学校に来なくなってしまうんですけど、物語の後半では堀麻里佳(菊地姫奈)さんとの思い出を受け入れ、再び学校へと訪れます。天文部で磯村さん演じる白鳥健治を含め、その場にいる皆の前で「(堀さんのことを)『許せないけどいい思い出ありがとう』って、言ってやりたい」と話すシーンは、自分の中でも気持ちがすごく揺さぶられました。僕は藤村の気持ちになってお芝居しましたが、「藤村頑張ったな」という気持ちもあり、演じていてすごく楽しかったです。

――本作でのお仕事を通じて、何か刺激になったことや勉強になったことはありますか?

磯村さん、堀田さんの佇まいや作品への向き合い方は勉強になりますし、自分もいつかそういうことができる人間でいたいと思いました。それこそ僕が先頭に立ったり、中心に立ったりする日がいつか来るかもしれないので、その時には2人にしていただいたような温かい空気作りを心がけていきたいなと改めて感じました。

■“好き”を仕事にするための信条「絶対に満足しないこと」

――ここからは個人的なことについても聞かせてください。今回、日向さんは高校生役を演じていると思います。自身が高校生だった時はどのような生徒でしたか?

当時はもう仕事に夢中だったので、全然学校生活を経験していなくて…。なので今回はその分高校生を楽しもうとしているところです(笑)。どんな生徒だったんだろう?

――学校の行事で印象的な思い出はありますか?

僕が高校生の時はそもそもコロナ禍だったので、色々なことが制限されていた年代なんですよね。その中でも唯一体育大会はあって、すごく楽しかったのを覚えています。

――そうなんですね!詳しく教えていただきたいです。

僕が学校を休んでいる間に、気づいたらリレーの選抜メンバーに入っていました。しかも足が遅いのになぜかアンカーになっていて。元々リレーは誰もやりたがらないという話を聞いていたので、先生にもリレーはやらないと話していたんですけど(笑)。結果はビリだったのですが、今思うと良い思い出です。

――前回取材させていただいた時に「好きなことを仕事にしている」とお話しされていたと思います。好きを仕事にするのは簡単なことばかりではないと思いますが、日向さんが俳優業をするにあたって大切にしていることは?

満足しないことですかね。お芝居には正解がないので、現状に満足してしまったら終わりだということは尊敬する先輩方からもよく言われていました。手応えを感じるのは悪いことではないと思うのですが、その話を受けてからは「こんなこともできたよね」と常に考えるようにしています。

――もし仕事で壁にぶつかった時はどのように対処していますか?

基本寝たり、コンビニで好きなお菓子を買ったりしています。起きたら忘れていることが多いので、落ち込んでもあまり引きずらないタイプだと思います。

――なるほど。また、先ほどお話されていた“尊敬する先輩”についても聞かせてください。

特に尊敬しているのは妻夫木聡さんで、事務所の先輩でデビュー当時からお世話になっています。「Get Ready!」という作品で共演させていただいてからは、20歳になったタイミングでお酒を飲みに連れていってくださったりと、本当に大好きな先輩です。そんな妻夫木さんが「絶対に満足はするなよ」とよく話してくださるんですけど、僕もその通りだなと思いますし、常日頃から心の中に言い聞かせている言葉です。

――日向さんがこの先、仕事で挑戦してみたいことを教えてください。

本当にさまざまな役を経験してみたいですね。20代になったので、スーツを着た大人の役にも挑戦してみたいと思っています。

――2025年も残り半分となりますが、どんな1年にしたいですか?

自分にとってステップアップした1年になればいいなと思います。色々な作品や人と出会って、より大人になっていけるとうれしいです!

◆取材・文=渡辺美咲

ドラマ「僕達はまだその星の校則を知らない」に出演中の日向亘にインタビューを実施/撮影=カノウリョウマ