
CBCテレビの新設ドラマ枠「ドラマトリップ」で放送される『もしも世界に「レンアイ」がなかったら』(7月31日スタート、毎週木曜24:58~)で主演を務める島崎遥香にインタビュー。本作での役作りや今の女優業への思いなどを聞いた。
ヤチナツの同名漫画を実写化した本作は、恋愛感情を持つことが普通じゃないとされる世界を舞台に、恋愛感情を持つ主人公を通じて等身大の恋愛観や悩みにフォーカスする異色のラブストーリー。恋愛がない世界で特定の人を好きになる“レンアイ”を自覚し、葛藤する主人公・乙葉を島崎遥香、同じく“レンアイ”でありながら、乙葉とは違い恋愛感情を隠しながら生きるハレをISSEIが演じる。
――本作のオファーを受けた時の心境を教えてください。
恋愛感情を持つことが普通ではないという世界が斬新だなと。設定自体はファンタジーですが、そこで生まれる人間関係や感情の変化などに関しては、現代社会に通じる部分が多いなと思いました。
――乙葉役をどのように捉え、どういう風に演じようと意識しましたか?
最初から最後まで、「自分の居場所を見つけたい」というのをテーマに演じました。
――それをテーマにした理由を教えてください。
乙葉は、最初から最後まで居場所を点々として、居場所探しをしている子だなと思ったので、居場所探しをテーマにしました。
――乙葉とご自身が似ているなと感じた部分はありましたか?
自分の若い頃に似ているなと思いました。突拍子もなく後先考えず行動してしまう時もあれば、急に感情をシャットダウンしてしまう時もあれば、若さなりの未熟さみたいな部分だったり、感情の揺れ動きの激しさ、でも若いからまっすぐ素直に進んでいく姿とか、リンクする部分がありました。
――現場では、座長として皆さんを引っ張るという意識もあったのでしょうか。
ないです(笑)。自分の役のことしか考えていません。自分の役目は乙葉を演じることなので、ただ乙葉して生きるだけだなと。
――本作への参加はご自身にとってどんな経験になりましたか?
今回初めてアクティングコーチの方にお願いしたんです。アクティングコーチはハリウッドでは当たり前みたいなのですが、一緒に役作りをしてくれたり、ロジカル的に演技について考えてくれる方です。日本だと演技は正解がないと言われがちですが、ちゃんと正解があるというのを心理学も含めて教えてくれる先生で、今回撮影前の役作りで一緒に考えてもらって、初めて演技って楽しいと思いました。感情論とかは一切なく、こうすればいいんだというのを一緒に見つけていくという感じでした。
――今後も、今回のような役作りをしたら演技を楽しめそうですか?
そうだと思います。今回セリフを覚えるという作業をしていないんです。私は全くセリフを覚えられない人でしたが、こういうシーンだよねというのを把握したら、乙葉として自然とセリフが出てきたので、覚えるという作業をしていなくて。自分が乙葉になるための精神的な操りをしたのかなと思っています。
――今後も女優さんとして活動していく上でとても大切な経験をされたと思いますが、そんな本作を経て、今の女優業に対する思いをお聞かせください。
今回、不思議な経験をしたので、ほかの役でもこういう感情になれるのか、試してみたいなと思っています。今まではすごくふわふわしていましたが、アクティングコーチという心強いパートナーがいれば自信を持ってできるなと。いないと無理という風になりました。
■島崎遥香
1994年3月30日生まれ、埼玉県出身。アイドルグループ・AKB48の元メンバーで第9期生。愛称は「ぱるる」。2016年にAKB48を卒業し、その後は女優など幅広く活躍。主な出演作にドラマ『ゆとりですがなにか』(16)、連続テレビ小説『ひよっこ』(17)、『ハレ婚』(22)、『私のシてくれないフェロモン彼氏』(22)、映画『劇場霊』(15)、『飛んで埼玉』(19)、『さかなのこ』(22)、『凪の島』(22)など。2024年に初のエッセイ本『ぱるるのおひとりさま論』を刊行。
ヘアメイク:信沢Hitoshi スタイリスト:黒瀬結以
(酒井青子)

コメント