チェルシーが、アヤックスに所属するオランダ代表DFヨレル・ハトを獲得することに迫っているようだ。30日、イギリスメディア『BBC』や同『スカイスポーツ』、同『アスレティック』などが伝えている。

 2006年3月7日生まれで現在19歳のハトは、センターバックを本職としながら、左サイドバックでもプレーする左利きのDF。アヤックスの下部組織出身で、2023年1月にトップチームデビューを果たし、昨シーズンは50試合に出場するなど、これまで公式戦通算111試合出場で4ゴール9アシストを記録している。また、2023年11月には17歳オランダ代表デビューも果たしており、通算6試合に出場している。

 そんなハトにはチェルシーから関心が寄せられ、同選手の代理人を務めるハンフリー・ナイマン氏もオランダ紙『テレグラフ』で、「連絡を取っている。ただ言えることはヨレルがチェルシーと交渉中だというだけだ」と話し合いが進行中であることを認めており、ケガのリスクを避けるためにプレシーズンマッチを欠場していた同選手の動向には注目が集まっていた。

 すでに10日前にはハトとの個人合意に達していることが報じられていたなか、アヤックスが5500〜6000万ユーロ(約94〜102億円)ほどの移籍金を要求していたことから、チェルシーの評価額と隔たりがあり、交渉は続いていたものの、なかなかクラブ間合意に達することができていなかった。

 それでも、今回の報道によると、ハトがチェルシーへの移籍だけを望んでいたこともあり、ついに両クラブは合意に達した模様で、メディアによって移籍金額は多少異なるものの、チェルシーは移籍金4300万ユーロ(約73億円)を支払うことになり、移籍市場に精通するイタリア人記者のファブリツィオ・ロマーノ氏などは、契約には売却条項も付随していることを伝えている。

 今後はメディカルチェックが予定されており、それが終わり次第、ハトはチェルシー2032年6月30日までとなる7年契約を締結することが見込まれている。なお、ロマーノ氏によると、契約には1年の延長オプションも付随しているようだ。

 今夏の移籍市場でチェルシーはすでに加入が内定していたブラジル代表FWエステヴァン・ウィリアン、エクアドル代表MFケンドリー・パエス、U-21ポルトガル代表MFダリオ・エスーゴ、U-20フランス代表DFママドゥ・サールが合流したほか、U-21イングランド代表FWリアム・デラップ、ブラジル代表FWジョアン・ペドロ、U-21イングランド代表FWジェイミー・バイノー・ギテンスを獲得している。

 そのため、昨夏からの約1年間でクラブと代表合わせて公式戦69試合に出場し、代役のいなかったスペイン代表DFマルクククレジャのバックアップとしても期待できるハトの獲得が正式発表されれば、同クラブにとっては今夏8人目の新戦力となる。

チェルシー移籍に迫るハト [写真]=Getty Images