東京メトロ霞ケ関駅日比谷駅の冷房設備が故障し、SNSでは「完全にサウナ状態」「えげつない暑さ」などといった投稿が相次いでいる。

実際にどれほどの暑さなのか。弁護士ドットコムニュースでは温度と湿度を計測。不快指数を隣駅と比較してみた。(弁護士ドットコムニュース・玉村勇樹)

●不具合は7月20日から 通勤ラッシュを直撃

報道によれば、霞ケ関駅日比谷駅の冷房設備に不具合が生じたのは7月20日の午後から。

どちらも通勤時間帯には多くの人が利用する主要駅だけに、暑さへの悲鳴が広がっている。

霞ケ関駅で乗り換えた利用客に話を聞くと「千代田線から日比谷線は距離があるので駅構内を7、8分歩きます。日比谷線のホームにくだった時、湿度と暑さがピークに感じられ、具合が悪くなりそうでした」と、つらそうな様子で語った。

●実際、どれくらい暑いのか?隣駅と比べてみた

弁護士ドットコムニュース編集部の記者が、冷房が止まっている千代田線霞ケ関駅と隣の国会議事堂前駅で、温度と湿度を測定した。

まずは霞ケ関駅。ホームに降りた瞬間、もわっとした熱気が体を包む。車内が冷房でキンキンに冷えている分、そのギャップで余計に蒸し暑く感じる。

気温を測ってみると32.5度。調査した7月30日の都心の気温は34.8度(気象庁発表)だったので、外とほとんど変わらない暑さだった。

●「不快指数」は「不快ゾーン」の80超え

温度と湿度で求められる日中の蒸し暑さを示す不快指数。日本気象協会によると80を超えると、多くの人が「暑くて不快」と感じる水準になるという。

不快指数は以下の式で算出できる。 0.81×気温+0.01×湿度×(0.99×気温-14.3)+46.3

霞ケ関駅の湿度は約53%。これに先ほどの気温、32.5度をあてはめると、不快指数は81.4。完全に「不快ゾーン」に突入していた。

●隣の国会議事堂前駅は快適さに雲泥の差

次に、冷房が正常に動いている国会議事堂前駅はどうだろうか。

ホームに降り立つと、体感温度がまったく違う。さっきまで暑いホームにいたせいか、車内との温度差がほとんど感じられなかった。

計測結果は気温29.0度。湿度は霞ケ関と同じ約53%。不快指数は77.4で80を下回った。

気温が3〜4度違うだけで、体の感じ方がこれほど変わるのかと実感した。

●復旧は8月下旬予定…しばらく「耐える」しかない?

霞ケ関駅日比谷駅のホームやコンコースには何台もの冷風機が設置され、応急的に対応は取られているものの、蒸し暑さは他の駅と比べても段違い。

駅構内に貼られた張り紙によると、冷房設備の復旧は8月下旬を予定しているとのこと。まだまだ暑さが続くこの季節。一日も早い復旧を祈るばかりだ。

「まるで蒸し風呂」霞ケ関&日比谷駅の冷房故障、利用者から悲鳴相次ぐ 実際に測った“不快指数”は