原因不明の騒音が鳴り響く、古い団地が舞台の韓国ホラー映画「層間騒音」(そうかんそうおん)が、10月10日公開される。ティザービジュアル、場面写真が公開された。

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ドン、バタン、カタカタ……という日常生活で聞こえる何気ない生活音。しかし、音の発信源が分からず、得体のしれない恐怖も伴う"怖音(ふおん)"だとしたら…。「層間騒音」(そうかんそうおん)という言葉は、集合住宅で上下階から聞こえてくる生活音(足音、話し声、ドアの開閉音、家電製品の音など)を指す韓国の言葉である。

ある日聴覚障がいを持つソ・ジュヨンは、妹のジュヒが突然失踪したと知らされる。2人は以前一緒に暮らしていたが、ジュヒは騒音が聞こえると言い始め、ジュヨンには補聴器を付けてもその騒音が聞こえず、食い違いから喧嘩になったきり会っていなかった。ジュヒが住んでいた団地の部屋に入ると、天井にはびっしりと防音シートが敷き詰められていた。直後に尋ねてきた隣人から、「夜は静かにしてもらえますか、これ以上うるさくしたらその口を裂く」と脅される。しかしジュヒが失踪した後の部屋には誰も居ない。妹が見つかるまで団地の部屋に泊まる事にしたジュヨンは、補聴器を介して奇妙な音が聞こえ始める。やがて音だけでなく何かの存在も感じるようになる。

今年6月に韓国で封切られた本作は、公開と同時に口コミが爆発的に広がり、韓国映画の中で3週連続第1位を獲得。ジャンル映画に特化し、世界的権威のある第57回シッチェス・カタロニア映画祭のアンヘル・サラ・コルビ芸術監督から"今年最高のジャンプスケア"と評され、他からも"「仄暗い水の底から」の再来"、"韓国ホラーの新たなマスターピース"という高評価を得ている。

メガホンをとったキム・スジンは、ミジャンセン短編映画祭「4万回の殴打」部門で、最優秀作品賞の受賞歴を持つ実力派で、「哭声 コクソン」、「コンジアム」の音響監督を務めたパク・ヨンギが、身の毛のよだつようなサウンドを生み出した。

聴覚障がいのある主人公ソ・ジュヨンを演じるのは、ドラマ「ジャガイモ研究所」のイ・ソンビンが務めており、行方不明の妹を探すうちに、不可解な騒音が齎す恐怖と対峙するという難役を演じきった。同じく団地の騒音に悩まされている怪しい隣人には、Netflixで配信中の大ヒットドラマ「未知のソウル」で注目を浴びる、リュ・ギョンスが演じている。

なおキム・スジン監督は、脚本執筆中と撮影中に突然物が倒れる心霊現象や不可解な音を聞いたと証言している。撮影現場でも怪奇現象が起きる"怖音(ふおん)"体験を、ぜひ映画館で確かめてほしい。10月10日から、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開。

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