
誰も見たことがない昭和の服を作っていく様子が、YouTubeで紹介されています。その驚きの完成形が「イカみたい」「これはパリコレとかに出る様なデザイン」「昔の服はいろいろな工夫や遊びがあって楽しそうだな」と注目を集め、動画は記事執筆時点で1万4000回以上再生されています。
投稿したのは、YouTubeチャンネル「そーいんぐ実況 わかこ」の「わかこ」さん。2021年4月にミシンを購入して服づくりを始め、その様子を同チャンネルで発信しています。以前は「初代万博っぽい服」を紹介し、話題となりました。
今回作るのは、昭和35年8月1日発行『婦人倶楽部』第41巻第10号付録の「白い衿が印象的なワンピース」。前々からやってみたかったものの不明点があって着手していなかったのですが、できそうな方法を思い付いたので挑戦してみることにします。
胸当てを作ります
わかこさんを悩ませていたのは襟周りの構造です。襟と身頃の他に胸当てというパーツが必要なので、こちらから作っていきます。赤系の生地を台形に切り、2つに折って1辺を縫い、表に返します。同じものをもう1枚作り、ボタン穴を作ります。
身頃を作ります
前身頃を作ります。ここでの難関ポイントはウエストから胸にかけてのダーツのライン。ダーツは左右対称のものが多いのですが、こちらのデザインは片方は直線でもう片方が大きくカーブしているのです。わかこさんは左右の長さを合わせるためにギャザーを寄せ、正解が分からないままミシンをかけていきます。
縫い終わったものを見るときれいなカーブが出ていて、テンションが上がります。続いて反対の身頃を縫いますが、こちらは1回では成功せず。微調整を繰り返して、きれいなカーブができました。脇から胸にかけてのダーツはスムーズに縫え、立体的な膨らみが誕生しました。
後身頃に入ります。このデザインは後身頃にも左右対称ではないダーツがあるのですが、カーブが小さめなのでギャザーを寄せずに縫っていきます。途中、見ているところが違って困惑する場面もありましたが、なんとか縫い合わせることができました。
襟と本体を縫い合わせます
前身頃と後身頃をつないだら、白い襟を縫い合わせていきます。大きな襟は初めて目にするデザインで、ショールくらいの存在感があります。胸当てを付ける作業は超難関。身頃、胸当て、見返しを重ねて縫っていき、途中から襟も一緒に縫うことになります。布が重なりすぎて確認しにくい部分もあったのですが、自分を励ましながら縫い進めます。
スカート部分を作ります
スカート部分に着手します。雑誌の説明には「ウエストのタックは荒く不規則に寄せて」と書いてあるそうですが、規則的な突合せのタックに変更して仮止めしていきます。
上下をつなぎます
上下のパーツを縫い合わせます。細かい部分は目打ちで押さえながら黙々と縫い進めます。
完成したワンピースは、いまだかつて見たことがないデザイン。大きな襟からは近未来っぽさも感じます。ローウエスト&立体的なタックで、ウエストがキュッとしまったステキなラインが出ています。
試着してみてダーツの重要さと着やすさを実感した様子のわかこさん。「難しいやつは面白い」という発見もあったようです。
コメント欄には「すごくすてきなワンピースですね。ローウエストですけれどきれいにフィットしてラインがとても美しいです」「史上最強です!!わかこさん最強!!」「このすてきなお洋服で現代の大阪万博へ!」といった声が寄せられています。
わかこさんは、この他にもYouTubeやX(旧Twitter/@wakako_sewing)で情報を発信中。別の日のYouTube投稿では、昭和レトロなブラウスや『不思議の国のアリス』のようなドレスを紹介しています。
動画提供:YouTubeチャンネル「そーいんぐ実況 わかこ」さん

コメント