
30日午前8時25分ごろ、カムチャツカ半島付近を震源とするマグニチュード8.7の地震が発生した。31日午前11時15分、気象庁が会見を開き、状況を説明した。
現在の状況について「北海道太平洋沿岸東部、北海道太平洋沿岸中部、北海道太平洋沿岸西部、青森県太平洋沿岸、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県九十九里・外房、伊豆諸島、種子島・屋久島地方、以上の津波予報区に対して津波注意報の発表を継続している。これらの予報区では津波を観測しているので、海の中や海岸からは離れてほしい」と注意を呼びかけた。
津波の観測状況については「主に太平洋沿岸を中心に津波を観測しており、岩手県の久慈港で1.3メートル、また、宮城県の仙台港、北海道の根室市花咲、青森県の八戸港、茨城県の神栖市鹿島港、伊豆諸島の八丈島八重根などで0.9メートルや0.8メートル、また、その他の地域についても0.5メートル以上の津波を各地で観測している」と説明。
また、「一部ではこれ以上津波が大きくならないと判断して、31日の10時45分に津波注意報を解除している。ただし、津波注意報が発表された沿岸については『もうこれで津波が終わった』というわけではなく、引き続き津波が観測されている。海に入っての作業や海水浴、磯釣り等を行う際には十分な注意をしていただきたい」と述べた。
津波の推移の見通しについては「過去に今回の地震の周辺で発生した地震の津波の観測記録及び今回の地震の津波の観測記録を踏まえて、今後少なくとも(31日11時15分現在から)1日程度は同程度の津波の状態が継続すると考えている」と話した。
津波注意報解除の見通しと判断材料については「現在、発生した地震に基づく津波シミュレーションや津波波形図を見て実際の津波の観測状況を踏まえて検討と監視を行っている。ただ、現在津波注意報を発表している予報区については、実際に直近でも高い津波が観測されているので、その状況を見て判断することになる。本日夕方頃に一度判断を行うということになると考えている」と説明した。
「遠く離れた場所に時間が経ってから津波が届くのは『天皇海山列』による反射の影響があるのか?」という問いには以下のように答えた。
「天皇海山列による反射はおそらく30日の時点からすでに九州の方にも届いている。北から南に向かう津波と天皇海山列で反射して東から到来してくる津波が合流したのが30日の午後6時、7時頃といったところかと思うが、九州地方でもその辺りからずっと津波が継続していて、種子島についてはまだ少し高い状態が継続している。そのためもあり、津波注意報を継続している」
30日の会見で気象庁は「天皇海山列」について、南北2000キロ、水深6000メートルの海底から4000〜5000メートルの高さがあると説明していた。
台風が近づくことによる影響については「一般的には、台風による高潮は、おそらく満潮時刻よりさらに上積みされると思っている。その上で、津波は大きく変化するので、普段よりも潮位が高い状態、場合によっては高潮被害が起きやすくなる可能性はあると考えている」と述べた。
(ABEMA NEWS)

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