
AKB48を卒業した村山彩希が主演を務める舞台、革命ミュージカル「新・幕末純情伝」(8月8日[金]~8月24日[日]、紀伊國屋ホールにて上演)の公開稽古が行われ、稽古後に行われた取材会にキャスト陣が登壇した。
【写真】「一度と言わず、17公演全部来てください!」と笑顔でアピールした村山彩希
同作は、つかこうへい氏の代表作の一つ。幕末の京都を舞台に、「沖田総司は実は女性だった」というユニークな着想のもと、1989年8月にPARCO劇場で初演されて以来、幾度も再演を重ねてきた。
幕末の混沌とした時代に、一人の少女が“女であること”を武器に時代を駆け抜ける、壮絶で痛切な愛と革命の物語である。そして今回、「新・幕末純情伝」が初めて“ミュージカル”として生まれ変わる。
演出は、つか作品を数多く演出してきた岡村俊一。振り付けは、演劇的な世界観をダンスとJ-POPで構成するダンスエンターテインメント集団「梅棒」での活躍でも知られる多和田任益が担当。演劇とダンスが交差する、“新たなつかこうへいミュージカル”の誕生に期待が高まる。
■村山彩希が単独初舞台で殺陣に初挑戦
これまで広末涼子、石原さとみ、桐谷美玲、菅井友香といった錚々たる女優陣が演じてきた沖田総司役に今作で抜てきされたのは、AKB48卒業後初の舞台単独主演となる村山。
この日の稽古は、村山演じる沖田総司が、柳下大(土方歳三)や百名ヒロキ(坂本龍馬)ら登場人物それぞれとの関係を歌にのせて語る印象的なシーンからスタート。剣に生きながらも、一人の女性として葛藤する姿が描かれた。
続いて披露されたのは、池田屋事件の激しい殺陣シーン。男たちに紛れて勇ましい殺陣を繰り広げる中に、村山は“愛するよろこび、愛されるよろこび”を一瞬の表情で織り交ぜた。初挑戦とは思えない軽やかな動きで、鮮烈に剣を振るった村山の殺陣は、本作への期待感をより高めるものとなった。
そして、ラストには新撰組隊士たちと夢を語り合いながら、総司の心のつながりを、歌とダンスで表現したポップなシーンが展開された。
■「沖田総司はAKB48の時には出してこなかった男前な自分」
稽古後に行われた取材会には、村山、百名、柳下、細貝圭の4名が出席。同作がAKB48を卒業して初めての挑戦となる村山は、「とてもプレッシャーに感じていますが、自分らしい沖田総司を演じていけたらと思います」と意気込みを。
続けて「沖田総司は、けっこう男前なので、口調や態度といったところはAKB48の時には出してこなかった自分だなと思います。こんなに怒りの感情をさらけ出して褒められたのが今回の稽古場だったので、手応えを感じています」(村山)と、自信をあらわにした。
沖田総司に恋をし、彼女の運命を大きく揺るがす存在の坂本龍馬を演じる百名は、「つかこうへいさんの作品に出演するのは初めてで、ここまで熱い現場なんだ! と目の当たりにしました。長年受け継がれてきた作品に出られることは、すごく嬉しいですし、誇らしい。みんなと一緒にこの舞台をお客様に伝えるのがすごく楽しみです」と告白。
沖田総司を守り、坂本龍馬と対立する新撰組の鬼の副長・土方歳三役の柳下は、「『新・幕末純情伝』に出演させていただくのは初めとなります。土方歳三という大役をやらせていただくということで非常に気持ちを入れて稽古に入ったら、稽古2、3日で声を潰してしまいました(笑)。それくらい気合を込めてやっています!」と、力強くコメント。
そして、7年ぶりの「新・幕末純情伝」の出演となる勝海舟役の細貝は、「久々につかさんの作品に触れて、改めて体に悪いお芝居だなと(笑)。7年ぶりにまた同じ役をやらせていただくんですが、非常に体の劣化を感じる日々でございます」と笑いを交えつつ、「メンバー新たにこのキャストで新たな『新・幕末純情伝』を皆様にお届けできることを嬉しく思っております」と、出演への喜びを語った。
最後に、村山は「私自身、生のステージをずっと大事にしてきました。新しい環境に来て新しい出会いがあって、こんなに刺激を受けることってなかなかないなと思います。いろんなことを教えていただいたからには、その感謝も込めて皆さんにステージで伝えるっていうことが今の私のできることだと思います。
私ができるキャストの皆さんへの恩返しだと思っていますので、この熱量をぜひ皆さんの自分の目で見ていただけたらなと思います。一度と言わず、17回全部来てください!」と力強くアピールした。

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