
NTTドコモは、FCNT製の従来型携帯電話「らくらくホン F-41F」を8月7日に発売する。らくらくホンシリーズの発売は2019年11月以来、約6年ぶりとなる。ドコモオンラインショップでの価格は4万1470円。
従来モデルと機能はほぼ一緒も、新たにFMラジオに対応
パーツ調達が困難な中、引き続き継続的に提供する
シニア層や営業マンを中心に、シンプルに通話に特化した従来型携帯電話が必要という声はまだまだ聞かれる。
その中でも「らくらくホン」シリーズは、大きく押しやすい凸形状のボタン、3つのボタンに家族を登録しておけば即電話がかけられる「ワンタッチダイヤル」、自分の周囲の雑音を抑える「スーパーダブルマイク」、相手の声を聞きやすく調整する「はっきりボイス」などの機能で、耳が遠くなったシニア世代でも快適に通話できる工夫が多数盛り込まれている。
さらに今の時代に合わせて、迷惑電話・迷惑メール対策機能もある。電話帳に登録されていない番号の着信では通話を録音する旨のガイダンスを流したり、怪しいキーワードやURLが入ったメールやSMSに対する操作に注意を促すといった機能も用意されている。
また、FMラジオに対応しているのもうれしい点。アナログ方式のイヤホンをUSB Type-Cに挿すことでアンテナ代わりになり、ラジオ番組を聞くことができる。AMラジオ局からの転換が進むワイドFMにも対応しており、災害時の対策としても価値がある。
一方で、こうした機能の多くは2019年登場の「らくらくホン F-01M」から大きく変わっているわけではない(前モデルはFMラジオではなく、ワンセグ対応。またUSB端子はmicroUSBからType-Cになった)。それでも新製品が必要とされたのは、FCNTによると従来型携帯電話の市場がシュリンクしていく中で、折りたたみのヒンジなど、パーツの調達が難しくなってきているためという。長期提供のためにパーツ構成の変更などもしている。
それでも「らくらくホンでないと困る」という人に向けて、FCNTは提供や開発を継続していく考えで、そのことは親会社のレノボとも共有しているという。確実に社会を支えてくれている貴重な存在と言えそうだ。

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