
ショッキングな展開と異常なまでの執着心が描かれる狂気性から目が離せないサイコホラードラマ「エリカ」が、FODで8/1(金)夜8時より配信開始される(毎週金曜夜8時、最新話を配信)。原作は2014年の発売から11年経った今もホラー好きの間で話題になっている楠本哲原作の同名コミック。臨時教員・青嶋一哉(渡辺大知)に対して歪んだ本性を見せていく女子高校生ストーカー・エリカの歪んだ愛情が見る者を戦慄させていく。
そんな見る者を怖がらせるエリカを演じるのは茅島みずき。彼女の純粋ともとれる恐怖の演技に目が釘付けとなる。今回は、エリカを演じた茅島みずきにドラマや自信の活動について聞いた。
■恐怖のJKストーカーは「とにかく青嶋先生のことが好きなだけ」
――まずは、原作を読んだ感想を教えてください。
どうなるか分からない話の展開にドキドキし、読み終わったときにはゾワッと鳥肌が立つような恐怖がありました。私自身はホラーが苦手なんですが、お化け的な怖さではないので読みやすかったです。リアルな人間が巻き起こすことから出る怖さには引き込まれました。
――コミック原作ですが、「どのように再現しよう?」など考えながら読みましたか?
そうですね。純粋に楽しむこともありますが、今回みたいにエリカを演じると決まって読んでいるときは「このシーンはどうやって再現するんだろう」と考えながら読んでいます。今回も表情含めてインパクトが強いシーンが多かったので、どのようにしようかと考えていたのですが…、途中から「監督に任せよう」と。そこからは、あえてあまり深く考えず、ただ原作を怖がっていました(笑)。
――エリカはどのような人物だと思いましたか?
一見、狂気的なんだけれど、実際は“すごく乙女”な女の子。他の人から見ると怖ろしく見えますが、本人はとにかく青嶋先生のことが好きなだけ。そのピュアで一途な気持ちを大切にしています。なので、あえて私から怖い雰囲気を出したりせず、ホラーということを意識しないで、普通にエリカという女の子を演じるようにしました。
――その一途な思いが恐怖にも見えてくるのが、非常にリアルですね。
監督からも「一途さを通り越して怖いのが、この作品の魅力」と言われていたのですが、実際に映像になって本当に普通に演じているのにエリカは怖い…と思いました。“この人、何か怖い”と思ってその人を見ると、普通では怖くないのに怖く見えてくる部分ってあるじゃないですか。エリカもそういう部分が多いような気がします。
あと、あえて私が気を付けたのは、エリカは高校生だけど精神的な部分はかなり幼いと感じたこと。なので、何となく精神年齢を低く演じています。そういう部分がより怖く見えているのかもしれないです。
――さまざまな恐怖シーンが控えていますが、特に印象的だったシーンを教えてください。
どのシーンも強烈なんですが、やはり第1話のラストで涙を流して「先生」とつぶやくシーンは、怒りや悲しみ、呆れ、虚しさなど…いろんな感情が入り混じっている演技で、どう表情をすればいいかかなり苦戦しました。何度も監督と話し合いながら最終的な形に落ち着いたのですが、何とも言えないエリカの心の内が伝わればと思います。
あとは、これも第1話ですが、ビーフシチューのシーン。見ていただければ納得だと思うのですが、さすがに気持ち悪かったです(笑)。実は味はおいしかったらしいのですが、見た目と臭いがひどく…。しばらくは“ビーフシチューは遠慮します”と思うほどに強烈でした。ぜひチェックしてみてほしいです。
――監督とも話し合いながら作っていったんですね。
現場でもディスカッションしながら、シーンごとみんなで作っていくことが多かったです。特に今回はアクションシーンもあったり、エリカの表情もコロコロと変わったり。展開が早かったので、みんなで一緒に話し合って作れたのは本当に良かったです。ホラー作品って、チームワークが大切なんだと気付かされました。
――ご自身にとって、またひとつ成長できた作品でしたか?
だと思います。終わったときは達成感がありましたから、やっと血のりがはがせるって(笑)。でも本当に初めてのことが多い作品でした。アクションは練習の動きを相手と合せていないと上手くできないことを知りましたし、いろんな表情で気持ちを表現すること学んだりといろいろありました。演じていて楽しいというより、毎日考えることが多い作品だったと思います。
――今作では、主題歌である「distortion」も担当して歌っていますね。
甘めな歌詞なのに、エリカの映像と合わさるとより恐怖感がプラスされるので不思議でした。ダークさもありつつ、サビは結構ホップなので、そのアンバランスな感じがこの作品に合っていると思いました。第1話のラストは、エリカの登場と合わさって主題歌が流れるので、その絶妙なタイミングを楽しんでください!
――歌とお芝居は、また違った感覚がありますか?
最終的に行き着くものはどれも“表現”なので、芝居も音楽も同じだと思うのですが、アプローチの仕方が全然違うと思います。ただ、それも経験してきた年数が違うので、そう感じているだけなのかもしれないですが…。
お芝居は8年やってきて、もちろん悩むこともとても多いですが、最終的にはお芝居自体を楽しんでいる印象です。対して音楽は、まだ何も分からない状態なので無我夢中というか。とにかく必死で、私に今できることは何だろうと思いながら頑張っている感じです。お芝居を始めて2年目ぐらいのときの感覚に似ているというか…。何年か経って「こう思っていたときもあったな」と思えるぐらい、成長できたらうれしいです。あと、いつかは自分で作詞をできたらいいなと思います。
■デビューから8年…「毎日、新たなトビラを開いていきたいです」
――2025年で、芸能界デビューして8年となります。これまであっという間でしたか?
8年と聞いて、驚くくらいあっという間でした。私の感覚だと、まだ2、3年目くらい。それぐらい時間が経つのが早くて、それだけ必死だったんだと思います。自分に自信がないのは変わらないですが、自信がないからこそ台本と向き合う時間が支えになってくれていて。昔より今の方が純粋にお芝居を楽しんでいる気がします。もちろん正解がない仕事なので常に手探りなのですが、それも楽しめるようになっていけたらと思っています。
――モデルとしてデビュー後、女優業や歌手業など精力的に活動されていますが、今後やってみたいことはありますか?
お芝居だと学生の役が多かったので、これからはお仕事ものやアクションメインの作品など大人になったからこそ出来る役にも参加していきたいです。自分がやっていないことは全部挑戦したい。毎日、新たなトビラを開いていきたいです。
そして、プライベートではスカイダイビングにチャレンジしたいです。私、バンジージャンプが好きなんですよ。これまで3回くらいやったのですが、毎回楽しくて。もちろん飛ぶ瞬間は怖いですが、終わった後の爽快感は忘れられないものなんですよ。落ちるのみのバンジージャンプと違って、周りの景色を楽しめるスカイダイビングはより楽しいんじゃないかなと思っています。できれば景色のいい、海外でやってみたいです。
――最後に、読者にむけて「エリカ」の見どころを教えてください。
原作に忠実な部分と、実写だからこそより怖くなっている部分もあると思うので、多くの方に見ていただけるとうれしいです。どういう展開になるのか全く想像がつかないので、ドキドキしながらエリカの乙女心を楽しんでください!
あと、本作はFODの配信ドラマなので、スマホなどで見られるのもポイント。キャンプなどに持って行って、夜に友達と一緒に見ると面白いはず。暑い日の夜、屋外で見る「エリカ」はより怖いと思います。ぜひ、肝試しに「エリカ」を楽しんでみませんか?

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