
TENSORVERSE合同会社(テンソルヴァース、本社:東京都港区虎ノ門、代表社員:鈴木裕太郎、以下「TENSORVERSE」)は、2025年7月、国立大学法人筑波大学より「筑波大学発ベンチャー」の称号を授与されました。本認定は、筑波大学に関わる人材・知的資源を基盤とし、技術的独自性や社会的意義、事業の成長性を有する企業に対して、同大学より付与されるものです。TENSORVERSEは、「PoCで終わらないAI導入支援」やRAGプロダクト『RagicX』(企業内のナレッジ活用を支援する生成AIソリューション)の実装、AI教育を通じた人材育成などの取り組みが総合的に評価され、今回の認定に至りました。
「筑波大学発ベンチャー」について
「筑波大学発ベンチャー」とは、筑波大学の研究成果・人材をもとに創業され、社会課題の解決に向けた革新的な取り組みを行う企業に対し、同大学が公式に認定を与える制度です。大学の知を社会に還元することを目的とし、技術的優位性と社会実装の可能性を併せ持つ企業が選定されます。
※参考:筑波大学産学連携本部 https://www.sanrenhonbu.tsukuba.ac.jp/spin_offs/
「筑波大学発ベンチャー」認定と評価について
このたび「筑波大学発ベンチャー」として認定していただけたのは、AI受託開発やRAGプロダクト『RagicX』の実装を通じて、PoC(実証実験)止まりで終わりがちなAI導入を現場で継続的に活用できる形に落とし込んできた点が評価された結果だと考えています。
TENSORVERSEは、AI技術を単なる検証にとどめず、現場業務で「使い続けられる形」にまで落とし込むことにこだわっています。たとえば、以下のような成果を上げています。
小売業における商品画像加工業務の自動化
課題:入荷した商品の写真を撮影・加工し、販促資料を作成する業務が属人的で、1日8時間以上を費やす大きな負担となっていました。
取り組み:画像認識・OCR技術を活用したAIを開発し、現場が求める品質基準に達するまで徹底的にチューニングしました。
成果:業務効率が約3倍に改善(8時間 → 3時間弱)。作業負担や手戻りが大幅に削減され、担当者からも「精神的に非常に楽になった」との声をいただいています。
さらに、AI教育事業として自治体と連携したAI教育支援の取り組みも評価していただけたポイントだと考えています。これにより、AI技術を単に開発・提供するだけでなく、次世代のAI人材育成や地域社会への貢献にも取り組んでいる点が、大学発ベンチャーとしての信頼につながったと感じています。
TENSORVERSE合同会社とは ~PoCの先へ、“使い続けられるAI”を~

平均年齢27.2歳。筑波大学出身メンバーを中心に構成された、若手精鋭チーム
TENSORVERSEは、2024年1月に設立した、社員の80%が筑波大学出身の若手主体のスタートアップです。最先端の技術力と柔軟な発想を活かし、スピード感あるAIソリューションの開発・導入支援を行っています。
最短2週間・平均1か月でのAI導入や、年間100件超の開発実績を背景に、生成AI・画像認識・OCRなど幅広い技術領域で価値を提供しています。
私たちが最短2週間・平均1か月でAI導入を実現できるのは、アジャイル型の開発プロセス、独自の開発ツール群、そして豊富なAIモデル選定ノウハウを組み合わせているからです。
少数精鋭の若手エンジニアチームが、要件定義から実装・運用設計まで一気通貫で対応できる体制も、スピード感を支える大きな要因です。
大手ベンダーとの協業経験も豊富で、「PoC止まりだった」「成果が出なかった」といったお悩みをお持ちの企業からの相談も増えています。
CEO・鈴木裕太郎コメント

鈴木 裕太郎(すずき・ゆうたろう)
TENSORVERSE合同会社 CEO
筑波大学 理工学群 応用理工学類 応用物理専攻(イオンビーム応用研究室)卒
大学時代は、複数の事業立ち上げを経験。
地域の飲食店と連携し、筑波大学周辺を盛り上げるプロジェクト「グルつく」などを仲間と共に企画・運営しました。「未完成でも走り出す」「誰かを巻き込んで一緒にやる」ことの面白さに没頭しながらも、何度も失敗を経験しました。完璧を待たず、まず動き続けるという思考は、この頃に培われたものです。理系の専攻でありながらニーチェ哲学や組織論などにも関心を持ち、学問領域を越えて探究した経験は、現在の経営スタイルにも影響を与えています。
この度、母校である筑波大学から「筑波大学発ベンチャー」に認定していただけたことを、大変光栄に思います。まさか母校と再びこのような形で関われるとは思っておらず、学生時代の記憶がよみがえると同時に、改めて気が引き締まる思いです。
筑波大学では、仲間と共に地域活性化プロジェクト「グルつく」を立ち上げるなど、数々の挑戦を重ねました。完璧を待たず、まず動き出し、仲間を巻き込みながら試行錯誤を続ける――その中で培われた「走りながら考える」という姿勢は、今のTENSORVERSEの経営スタイルの原点です。
創業にあたり、私たちはAI領域で繰り返される「PoC止まり」という課題に強い問題意識を持ちました。技術的には優れていても、現場で使われなければ意味がありません。TENSORVERSEは、技術とビジネスの間にあるギャップを埋め、社会で“本当に動くAI”を実装する企業でありたいと考えています。
また、TENSORVERSE(テンソルヴァース) という社名には、私たちの理念と未来へのビジョンを込めています。「TENSOR」は数学や機械学習における多次元データの構造を表し、現実世界の複雑な情報を捉えて価値ある意思決定を支援するという想いを込めました。一方「VERSE」は、広がりや世界、可能性を象徴し、AI技術を産業や社会に広く届けるという決意を示しています。
今後は、RAGや生成AIといった先端技術を現場で活用できる形に落とし込み、ビジネスと技術を橋渡しできるエンジニア人材の育成にも取り組んでまいります。つくばで培った経験を糧に、認定に恥じないよう、技術と経営を磨き続け、AIの社会実装をリードしてまいります。
CTO・唐澤拓実コメント

TENSORVERSE合同会社 CTO
筑波大学 情報学群 知識情報システム主専攻卒
大学時代は、卒業研究として「データの可視化」に取り組み、複雑なデータ構造や関係性を、人が直感的に理解できる形で表現する方法を探究してきました。単なる描画にとどまらず、どのように見せれば本質的な傾向や異常を掴みやすくなるか――「見えないものを見えるようにする」という姿勢は、当時から一貫していました。
現在も、AIモデルの出力結果や処理プロセスがブラックボックス化しやすい中で、それをいかに可視化し、解釈可能にするかはユーザーにとっての信頼性や体験価値に直結すると考えています。大学時代に培った視点は、プロダクト設計、評価指標の選定、実装後の運用に至るまで、技術全体に通底する設計思想として息づいています。
私たちは、メジャーな技術や最新トレンドを安易に取り入れるのではなく、ユースケースに応じて最適なAI技術を選定・導入することを重視しています。
たとえば、コンピュータビジョンの領域では、大規模に学習された基盤モデルが必ずしも最適とは限りません。むしろ、エッジAIの方が高い効果を発揮するケースも少なくありません。そうした判断を適切に行い、高度な実装を現場で支えるためには、技術の選定眼と運用スキルの双方が求められます。私たちはそれらを組織的に維持し、プロジェクトごとに最適解を追求しています。
こうした実装力に加え、大学発ベンチャーとしての強みは、研究成果を迅速に社会実装へとつなげるスピードにあります。常に最新の研究成果や論文をキャッチアップし、内容を正確に理解した上で、実装レベルでの実証・評価を行っています。これらの知見はユースケースに適した技術スタックとして再整理し、社内ナレッジとして蓄積しています。研究的な視座と実装力の融合――この両輪が、技術選定と開発精度の根幹を支えています。
一方で、RAGや生成AIを社会実装するうえでの最大の課題は、「技術の進化スピードに実装や運用体制が追いつかない」という点です。特にLLM(大規模言語モデル)は数か月単位で最適解が塗り替えられる領域であり、現時点でのベストプラクティスが翌月には通用しなくなることもあります。
そこで私たちは、再学習や構成変更が容易なアーキテクチャを採用し、特定のモデルやプロバイダに依存しない設計思想を徹底しています。「変化を前提とした構え」をチーム全体で共有し、不確実性をチャンスに変える柔軟性を持ち続けています。
個人的に注目しているのは、Diffusionアーキテクチャを取り入れた言語モデルです。生成画像の分野で成果を挙げてきた技術が、言語処理やマルチモーダル連携にどう応用されるのかは、今後の進展が非常に楽しみな領域です。
また、モデルの高速化や軽量化といった、運用面の実装負荷を下げる技術的アプローチにも関心を持っています。プロダクトへの組み込みやすさ、リアルタイム性、リソース制約とのバランスなど、実用フェーズを見据えた研究が、より価値を持つ時代に入ってきたと感じています。
■今後の展望
TENSORVERSEは、AIを「PoCで終わらせない」ために、現場で本当に活用できる形での社会実装を推進してまいります。RAGや生成AIといった先端技術を、実証実験の段階で終わらせるのではなく、現場で継続的に運用できるレベルまで落とし込み、企業の業務改革や価値創出に直結させることを目指します。
さらに、「ビジネスサイドと技術サイドをつなげられるエンジニア人材を輩出できる組織」を目指し、AI教育事業や自治体との連携も強化してまいります。技術の実装力と課題翻訳力を兼ね備えた人材を育成し、企業がAIを「使いこなせる」環境をつくります。
筑波大学発ベンチャーとしての認定を励みに、技術・人材・実装力のすべてを磨き続け、AIの社会実装を次のステージへ押し上げてまいります。
■本件に関するお問い合わせ
会社名:TENSORVERSE合同会社
所在地:東京都港区虎ノ門1丁目17-1 虎ノ門ヒルズビジネスタワー15階
代表社員:鈴木裕太郎
事業内容:AI受託開発事業、AI教育事業、RAGプロダクト事業
Email:sales001@tensorverse.jp
Webフォーム:https://tensorverse.jp/contact/
配信元企業:TENSORVERSE合同会社

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