
アウンコンサルティング株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:信太 明、東証スタンダード:2459)は、グローバルマーケティング(国内・海外向けの販売促進・AI活用支援)*、メディアマーケティング(火災保険・地震保険の申請サポート)**などのマーケティング事業を展開しています。
この度、欧州5カ国***における日本の47都道府県に関する年間の検索トレンドについて調査を実施しましたので、その結果をお知らせいたします。
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*** ドイツ、イタリア、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド
“バルーン”の佐賀、“復興”の福島 佐賀はドイツで検索1位
欧州で地方都市に注目集まる
2024年、欧州5カ国からの訪日外客数は約70万人(前年比+41.6%)*1に達し、過去最高であった2019年(約54万人)を上回る水準に到達しました。さらに2025年に入り、6月の訪日外客数は約6.2万人(前年比+35.5%)*1を記録、2025年1月から6月の累計では約43万人*1に達しました。円安の影響で訪日旅行への費用が抑えられ、直行便の増加などにより渡航しやすい環境が整ったことが要因と考えられます。
以下の表は、2024年7月~2025年6月の欧州5カ国における「日本の都道府県」の検索数をまとめたものです。検索数の上位には、1位東京、2位大阪、3位京都といった大都市圏に加え、4位沖縄、8位北海道は、これまでアウンコンサルティングが発表した米国編、カナダ編の調査と同様の傾向であると考えられます。
5位の秋田は、欧州5カ国のいずれも検索数の上位に入り、とくにイタリアや北欧3カ国で関心が高く、検索のピークは7~8月と年末年始の12~1月に集中していました。これは、カナダ編同様、“akitainu(秋田犬)”への国際的な関心が、検索数の押し上げに寄与した可能性があります。
6位の佐賀は、欧州5カ国のうち、ドイツ、スウェーデン、ノルウェーが上位にランクインしました。特にドイツでは1位、スウェーデン、ノルウェーではともに5位となっており、検索数全体の約75%をドイツが占めています。中でも、毎年秋に開催される「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」*2は世界有数の熱気球イベントとして知られ、“saga balloon festival”や“balloon festival”といった検索ワードから一定の検索数が確認されており、目を引く体験型イベントとしての魅力がうかがえます。また、佐賀県はドラマや映画の撮影地としても注目されており(マレーシア編参照)、外国人観光客向けに英語対応観光マップや多言語パンフレットを整備し、バルーンフェスタをはじめとする観光資源への誘致を図っています。
7位の広島は、欧州5カ国すべて検索数の上位にランクインしており、訪日前の関心の高さがうかがえます。夏休み前の旅行先として検討される時期であることに加え、平和や歴史に関する学びを重視する教育的な関心から、広島に関する情報を事前に調べる動きが見られました。特に3月から6月にかけて検索数が高かったドイツやイタリアでは、教育旅行や文化学習の一環として広島を訪問先に検討する動きが強まっている可能性があります。広島県では、若年層を対象に「広島ジュニア国際フォーラム」*3を継続的に開催しており、平和について多国籍な視点で考える場を提供しています。こうした取り組みも、地域への関心を高める一因となっていると考えられます。
10位の福島は、3月に検索数が大きく増加しており、欧州5カ国全体で同様の傾向が見られました。これは、東日本大震災・福島第一原発事故を契機とした復興に対する国際的な関心が依然として続いていることを示唆しています。加えて、3月はスキーやスノーボードのシーズン終盤であり、裏磐梯などのウィンタースポーツにも注目が集まっている可能性があります。福島県では復興と防災教育をテーマにした「ホープツーリズム」*4を推進しています。原子力災害伝承館や被災地ツアーを通じた学びとともに、スキー場や温泉といった観光資源との連携により、持続的な誘客を目指しています。
今回の欧州5カ国に関する調査では、東京・大阪・京都などの大都市圏への検索関心が根強く見られる一方で、秋田や佐賀、広島、福島といった地域も10位以内に入り、地方にも訪日ニーズが広がりを見せていることがデータから読み取れます。なお、9位に入った宮崎については、カナダ編同様、地名として宮崎駿氏に関連する検索数も多かったことから、地域名としての検索だけでなく、氏に関連する関心も含まれていた可能性があります。
また、通常は10位以内にランクインすることが多い福岡県が、今回14位にとどまりました。これは、東アジアや東南アジアなどの近距離圏とは異なり、欧州からのアクセスのしづらさや直行便の少なさが、検索数に影響したと考えられます。観光資源としての魅力は高いものの、6位の佐賀と比較すると、欧州圏からの訪問先候補としては他地域に比べて選定の優先度が下がった可能性があります。
なお、歴史、平和、自然、伝統体験など、日本の「静かな魅力」に対する支持が広がっており、多言語での情報発信や地域ごとのプロモーション活動が効果を上げていると考えられます。一方で、欧州からのアクセス課題や、地方での宿泊・交通に関する情報の不足といった受け入れ環境の整備は引き続き重要な課題です。円安や航空便の増加といった追い風を活かしながら、地方の魅力をわかりやすく伝える工夫や、教育・文化交流を通じた地域とのつながりを育む取り組みが求められます。今後は、リピーターや長期滞在ニーズのある訪日外客に向けて、体験型コンテンツや地域滞在プログラムを一層充実させていくことが、継続的な誘客につながると考えられます。
※Google広告 キーワードプランナーツール利用による検索数データ

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本調査レポートの完全版では、2025年6月の使用言語別・文字別の訪日外国人客数についても掲載しております。詳しくは、アウンコンサルティングウェブサイトをご覧ください。
詳細を見る■調査概要
【調査主旨】
欧州5カ国における日本の47都道府県に関する年間の検索トレンド
【調査要綱】
調査日:2025年7月17日
調査対象時期:
・欧州5カ国におけるアウンコンサルティングが厳選した地名関連の主要検索キーワード
2024年7月~2025年6月
・欧州5カ国における日本の47都道府県に関する年間の検索トレンド
2024年7月~2025年6月
【出典】
※1 日本政府観光局(JNTO)
・日本の観光統計データ:https://statistics.jnto.go.jp/graph/
・訪日外客数・出国日本人数データ:https://www.jnto.go.jp/jpn/statistics/visitor_trends/
・インバウンド消費動向調査:https://www.mlit.go.jp/kankocho/tokei_hakusyo/gaikokujinshohidoko.html
※2 佐賀市シティプロモーション室, バルーンのまち 佐賀市 ,
https://www.city.saga.lg.jp/promotion/main/2373.html
※3 広島県庁・国際平和のための広島機構(HOPe) , 広島ジュニア国際フォーラム
https://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/peace80-en/action-international-forum.html
※4 福島県, ふくしまの観光情報 ホープツーリズム 福島の「今」を感じる旅 , 2025年3月31日
https://www.pref.fukushima.lg.jp/sec/01410a/kanko-tokyo.html
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