
新開発のプラットフォームを導入
フォードは、2027年から手頃な価格の新しいEVシリーズを順次展開していく計画だ。新開発のプラットフォームと「革新的な」生産工程を採用するという。
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その第1弾となるミドルサイズのダブルキャブピックアップトラックは、同社にとってモデルT以来の革命とされる『ユニバーサルEVプラットフォーム』をベースに、3万ドル(約440万円)の目標価格を掲げている。
フォードのジム・ファリーCEOは、ハッチバック、クロスオーバー、バン、3列シートSUVなど、さらに多くのモデルが追随すると述べた。いずれも同様の価格帯で発売される見込みだ。
現在、フォードが販売しているEVの中で最も安価なのはコンパクトクロスオーバーのプーマGen-Eで、英国価格は2万9995ポンド(約600万円)からとなっている。
さまざまなボディサイズに対応した新しいプラットフォームにより、フィエスタやフォーカスのようなコンパクトハッチバックが再登場する可能性もある。
マスタングより速いピックアップトラック
新型EVは米国ルイビル工場で生産される。ファーリー氏が「ケンタッキー州から世界へ」と宣言したことから、グローバル市場で販売される見通しだ。
フォードが米国で自動車を生産し、世界中に輸出することは、米国、特にドナルド・トランプ大統領にとっての勝利と言えるだろう。EU(欧州連合)との間で貿易協定が締結されたことで、欧州に輸出される米国製自動車に対する輸入関税は引き下げられている。
とはいえ、フォードの新型EVの第1弾は国内市場を念頭に置いて開発されている。アマゾンが支援するスレート・トラックと競合する位置付けとなり、EVに懐疑的な国内での販売拡大に貢献するだろう。
フォードは現在、SUVのマスタング・マッハE、ピックアップトラックのF-150ライトニング、バンのEトランジットを国内で販売している。
米国のメディアによると、この新型トラックは『ランチェロ(Ranchero)』という名称になるようだ。同名のモデルは過去に存在するが、カプリやエクスプローラーのように、フォードはよく知られた名称を新型EVにつける方針をとっている。
新プラットフォームの詳細は未公開だが、ファーリー氏はミシガン州の新工場『ブルーオーバル・バッテリー・パーク』で生産される角柱型リン酸鉄リチウム(LFP)バッテリーセルを採用すると述べた。
これにより「驚異的な」航続距離を実現し、6日間分の家庭用電力に相当するエネルギーを蓄えられるという。
さらに、第1弾のピックアップトラックは「マスタングのツインターボよりも速く」、超急速充電が可能で、無線アップデートに対応した車載OSを導入する。
新プラットフォームは車内空間を重視して設計されており、「トヨタRAV4よりも車内が広い」とのことだ。また、フロントトランク(通称:フランク)も備わる。
大きなリスクを伴うEV戦略
この新型EVシリーズの価格を抑える鍵となるのは、ルイビル工場での生産工程だ。フォードは、3つのラインを使用し、フロント、リア、コア構造(プラットフォーム、バッテリー、シート、インテリアなど)を別々のラインで組み立て、最後に1つに統合するとしている。
これにより、「工場に革命をもたらし、従業員の作業が簡素化される」という。
ファーリー氏は楽観的な見通しを示しつつも、発表では慎重な姿勢を見せ、「手頃な価格のクルマを作るには抜本的なアプローチが必要でした。それだけでなく、持続可能性を確保し、利益を上げる必要もありました」と述べた。
「このプロジェクトには保証はありません。これは賭けであり、リスクを伴います。100%成功するとは断言できません。自動車業界には失敗したプロジェクトであふれかえる墓場があるのです」
ファーリー氏は米国生産であることを強調し、「競合他社は、アジアで自動車を生産し、海外から輸入しています。当社は違います。他社が断念した挑戦に、わたし達は挑むことにしたのです」と力を込めた。
「このプロジェクトは、フォードの自動車という枠を超え、わが国にとって重要なことなのです」
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