「実はね……主人公が、最後の最後で殺されるのよ。犯人はなんと、その人の奥さんなの! もうびっくりよね!」――このように、楽しみにしていたドラマや映画、小説の内容を「ネタバレ」されてしまい、がっかりした経験はないだろうか。「教えて!goo」に、「読んでいる本のネタバレをされてしまいました……」という投稿が寄せられ、ユーザーのさまざまな意見が飛び交った。

■ネタバレ大歓迎!?

意外にも多かった答えが、「個人的にはネタバレ全然OK」(comecco87さん)、「ネタばれ大歓迎、むしろ積極的に探します」(one12さん)という、ネタバレを肯定する意見。

その理由として、「結末自体よりも、間のストーリーや文章を楽しむと言う行為のほうが本を読むことにおいて割合が大きい」(comecco87さん)、「伏線、役者の演技、台詞などが集中して楽しめる」(one12さん)などが挙げられた。

一方で、「ネタバレはイヤですね!非常にイヤ!この先見る気が失せる」(BODYCHANGEさん)、「小説やマンガのネタバレはちょっと……いいえ、かなり嫌ですね」(noname#157729さん)といった声も多く、やはりネタバレを否定する意見もある。

ネタバレについては賛否両論あり、どちらの主張も一理ある。

■ネタバレをしてしまいたくなる心理

どうして、人はネタバレをしてしまいたくなるのだろうか。心理学者の内藤誼人先生に話を聞いた。

「基本的に、小説やドラマの結末は、人に話してはいけないことですよね。しかし、人間は禁止されると破りたくなってしまうのです。これを『リアクタンス』といいます」(内藤先生)

リアクタンスとは、自分の自由が制限された時、その反対の行動を取ろうとする心理のこと。男女や年齢を問わず起こる反応だという。子どものころ、「これから1時間、絶対トイレに行けないからね。今のうち行っておきなさい」と言われ、それまでトイレに行きたくなかったのに急に行きたくなった経験のある人はいないだろうか。これもリアクタンスの一種だという。

■恋愛でも使える「リアクタンス」

「例えば、恋人に『絶対、浮気しないでね』と言うと、相手は余計に浮気したくなってしまいます。逆に『私は彼氏がモテるほうがいいからどんどん浮気してきていいよ』と言うと、浮気しなくなる傾向があるのです」(内藤先生)

ちなみに、冒頭で紹介したようなネタバレを防ぐためには、「『どんな小説だったの、教えて』と言ってみるといいでしょう」と内藤先生。リアクタンスが働いて、相手は話したくなくなる可能性が高いと分析する。ぜひお試しあれ。

●専門家プロフィール:内藤 誼人
心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。「アドラー心理の言葉」(ぱる出版)、「電車のハシに座る人は成功できない」(大和書房)他、著書多数。

教えて!goo スタッフ(Oshiete Staff)

ネタバレをしたくなってしまう人の心理とは