作画:尾花せいご(@seishoobi)さんと監修:西洋魔術博物館(@MuseeMagica)さんによる創作漫画「放課後おまじない倶楽部」は、迷信研究部に入部した少年と、不思議な雰囲気が漂う顧問との日々を描くオリジナル作品だ。

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緻密で精細な絵とノスタルジックな絵柄に定評のある尾花さんの作画と、西洋魔術や西洋の魔物、伝承、迷信などの著書多数の西洋魔術博物館さんが監修した多彩な迷信やおまじないのエピソードが大きな魅力となっている同作。エピソードの紹介とともに、監修の西洋魔術博物館さんに作品内で描かれる伝承について詳しい話を聞いた。

■ヤドリギの下でキスをすると1年間幸せになる!?

本作「放課後おまじない倶楽部」は、西洋の古い伝承や迷信を現代の日本で検証するという、少し風変わりな部活動を描いた物語だ。

主人公の栗丸くんが所属するのは「迷信研究部」。冬が訪れ、街にクリスマスの灯りがともりはじめた頃、顧問の雨野先生に連れられて訪れたのはクリスマスマーケットだった。クリスマスマーケットとは、ドイツオーストリアなどヨーロッパ各地で開かれる冬の恒例行事で、広場に並ぶ露店で温かい飲み物や手作りの飾りを楽しむ期間限定のイベントだ。雨野先生は、サンタクロースをはじめとする“伝承の王様”たちの物語や、クリスマスにまつわるさまざまな迷信を紹介してくれるーー。と話は展開していく。

本作の監修を務める西洋魔術博物館さんが、クリスマスの迷信のなかでも特に好きな迷信は「やはりヤドリギの下でキスをする習慣ですね」と教えてくれた。偶然その下に立った人がキスをされると1年間幸せが続き、逆にわざと立つと嫌われてしまう――そんな人間味のあるルールも魅力のひとつだと語る。

作中では「トナカイの名前を夜空の下で唱えると、なにかいいことが起きる」という可愛らしい迷信も登場する。子供の頃にサンタクロースを信じていた栗丸くんが、「迷信研究部」に入ったことでサンタクロースへの想いが変化していく過程も、心に残る見どころのシーンの1つとなっている。迷信の世界を通して、人々の願いや信じる気持ちを描き出す『放課後おまじない倶楽部』をぜひ読んでほしい。

取材協力:西洋魔術博物館(@MuseeMagica)

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「悪い子は鬼に連れて行かれる?」(「放課後おまじない倶楽部」2話より)/漫画=尾花せいご、監修=西洋魔術博物館