田中瑛斗は11回二死から逆転を許した(C)産経新聞社

 阿部巨人の2025シーズンが終了した。

 10月12日に行われたDeNAのCSファーストS(横浜)第2戦に、延長戦の末、6-7と敗れた。

【CS解説】日本ハム&DeNAがファイナルSへ‼︎巨人は『なぜ無警戒になったのか?』DeNAが蝦名のサヨナラ勝ちで試合を決める‼︎日本ハム8回の逆転劇の裏側には”高木が感じたある練習の影響?”

 初回に巨人打線が野手一巡の猛攻で相手先発アンドレジャクソンから5点を奪う。1番に入った佐々木俊輔先頭打者ホームランから始まり、中山礼都にも3ランが飛び出すなど、一気に流れを持ってくるかと思われた。

 しかし、先発の戸郷翔征が粘れない。自身も初回に適時打を放ったが、初回裏にいきなり5失点。5-5のタイに持ち込まれた。

 その後は持ち直し、巨人も勝ちパターンの大勢を5-5と同点の7回二死から投入、守護神のライデル・マルティネスも8回一死一、三塁で投入と懸命な継投を見せる。

 ともに必死の継投で点が入らない中、11回表に6-5と巨人が勝ち越し。迎えた11回裏のDeNAの攻撃、二死無走者からドラマが待っていた。

 石上泰輝田中瑛斗のシュートを捉え、内野安打で出塁。続く林琢真の打席では気合の二盗を決めて、チャンスを拡げた。

 二死二塁の形を作ると林の左翼線への当たりで本塁へ生還、6-6の同点に持ち込むと、勢いは止まらない。

 代打・度会隆輝の右翼線への当たりで二死一、三塁とし、最後は蝦名達夫の左翼線への適時打で劇的なサヨナラ勝ちをおさめた。

 巨人とすれば、あと一死で勝利をおさめられる場面から反転した要因は何があったのか。球界内からも考察の声が上がっている。

 現役時代は大洋(現DeNA)で活躍、引退後は日本代表コーチを務め、現在は野球解説者として活躍する高木豊氏は10月12日に自身のYouTubeチャンネルに「【CS2st解説】日本ハムDeNAファイナルSへ!!巨人は『なぜ無警戒になったのか?』DeNAが蝦名のサヨナラ勝ちで試合を決める!!日本ハム8回の逆転劇の裏側には"高木が感じたある練習の影響?"」と題した動画を更新。セ、パ両リーグのCSファーストSの戦いぶりに独自の考察を加えている。

 高木氏は後がない巨人のCSファーストS第2戦について、大勢やマルティネスを早期に投入するなど、阿部慎之助監督も勝負に出たと認めながら、勝ち越した後の11回裏の攻防に目を向けた。

 8番手として登板、10回から投げ、回またぎとなっていた田中瑛斗DeNA打線を二死まで追い込む。    
 
 ここで石上に内野安打を許した次のシーンにスキがあったと指摘。

 「続く林の(打席の)ときになんでか知らないけど、盗塁とかあまり考えなかったのかな バッテリーが」と言及。11回のバッテリーは田中瑛と大城卓三だった。 

 「なんで(バッテリーが)無警戒だったんだろう」と、一走の石上にけん制球をはさむことなくノーマークとし、あっさり走られたことに疑問を感じたという。

 「完全に(田中のモーションを)盗まれていたよね」と勝利をあきらめないDeNA打線につけ入るスキを与えたとする。

 勝負は当然のことながらゲームセットの瞬間までどちらに転ぶか、分からない。事態が硬直する中、ようやく11回表に巨人は勝ち越し、勝利まであと一死のところまで来ていた。しかし、わずかなほころびが勝敗を分けたとする。 

 試合後の阿部監督は敗戦の責任を一身に受け止めたが、今オフは主砲の岡本和真ポスティング行使を視野に入れるなど、再びの激震も予想される。

 レギュラーシーズンでは安定した投手力を誇る藤川阪神に大きく差をつけられたことも話題を集めた。この悔しさを糧に這い上がるしかなさそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

「なんで無警戒だったんだろう」なぜ巨人は11回二死から勝ち越しを許したのか 球界OBの考察「盗塁とか考えなかったのか」