何か用事があって別の部屋に移動したものの、いったい何をしようとしていたのか忘れてしまった。っという経験をしたことがある人も結構多いかと思うが、それはある種の現象であり、部屋に入るという行為自体が原因となっている可能性があるそうだ。

ソース:ドアを開けて別の部屋に移動すると前の部屋のことを忘れる? | スラッシュドットジャパン サイエンス[https://web.archive.org/web/20120108062257/http://science.slashdot.jp/story/11/12/17/020203]

 米ノートルダム大学の研究チームは、コンピューター上の仮想空間と現実の部屋を使用して、部屋の移動による記憶の減少を調査した。

 米ノートルダム大学の研究チームはコンピューター上の仮想空間と現実の部屋を使用して、部屋の移動による記憶の減少を調査した。被験者はテーブルからブロックを取り、移動先のテーブルに置くという作業を行う。移動先のテーブルは大きな部屋では同じ室内、小さな部屋では別の部屋に置かれており、被験者からは運んでいるブロックは見えない。移動途中でブロックの色と形が提示され、現在持っているブロックまたは直前に置いたブロックと一致するかどうかを「Yes」「No」で回答するというもの。

 実験の結果、いずれも別の部屋に移動した場合の誤答率が高く、回答時間も長くなった。また、元の部屋に戻るパターンではさらに成績が悪かったという。ドアを開けて他の部屋に移動することがイベントの境界となり、新しいイベントモデルが作成される。新しいイベントモデルはワーキングメモリーに格納され、関連する情報を簡単に思い出すことができる一方、古いイベントモデルが利用可能な領域が減少するため、それに関連付けられていた記憶も減少する可能性を論文は指摘している。

 確かにドアを開けるというか「移動」することで記憶装置リセットされちゃうっていうのは実感できるわけで、 ドラえもんの「どこでもドア」も、ドアを開けて別の空間についた瞬間、何の為にそこに移動したのか忘れてしまったら宝の持ち腐れになってしまうわけだから、ドラえもんの欲しい道具ランキング順位を少しだけ下げてみることにするよ。

 移動するまでもなく、席を立った瞬間なぜ立ったのかすら忘れてしまう、瞬間忘却上級者のパルモの場合には、「またもとの位置に戻れば思い出すかも!」という浅はかな考えでいったりきたりを繰り返していたわけなんだけど、それは逆効果だったということだけは実証されたようだ。

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