イヌはこれまで、水を飲むときは舌先を裏側に曲げてひしゃくのようにすくい上げて飲むと考えられてきた。しかしこの定説が、X線(上の動画)と可視光線(下の動画)で撮影した2つの動画によって、覆された。イヌは、水を柱状にして引き上げて、それを口に入れていることが分かったのだ—-これは、ネコの飲み方と同じだ。

ソース:犬の「飲み方」:X線動画で定説が覆る | WIRED VISION[https://web.archive.org/web/20120510194952/wired.jp/wv/2011/05/26/%E7%8A%AC%E3%81%AE%E3%80%8C%E9%A3%B2%E3%81%BF%E6%96%B9%E3%80%8D%EF%BC%9Ax%E7%B7%9A%E5%8B%95%E7%94%BB%E3%81%A7%E5%AE%9A%E8%AA%AC%E3%81%8C%E8%A6%86%E3%82%8B/]

 「イヌは、舌を裏側にひしゃくのように曲げて水を飲むように見えるが、それは外見だけのことだ。イヌもネコのようにして飲んでいるーーただ、その飲み方が下手なだけなのだ」と、ハーバード大学アルフレッド・クロンプトン名誉教授(進化生物学)は語っている。

 ネコとイヌは4300万年ほど前に共通の祖先から分岐した。ヒトを含め多くの現代の動物は頬が厚くなっているが、ネコとイヌは、進化の過程でそうはならなかった。頬が厚いと、口の中がしっかり密閉されて、液体を蓄えられるし、吸い込む力を利用して液体を飲むことができる。だがネコやイヌは頬が厚くないので、別な飲み方を追求しなくてはならなかった。

 柱がイヌの舌の上まで到達すると、液体は上あごに押し当てられ、そこにある襞(ひだ)のおかげで、液体はこぼれなくなる。Crompton名誉教授によると、イヌは飲み物を舌に沿わせて口に入れ、喉の奥に1口飲み込むまでに、3、4回は舌を動かしているという。

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