イギリスロンドンのICN galleryにて2011年12月1日より2012年1月11日まで個展が開かれていたという金魚絵師、深堀隆介氏の作品は、海外の様々なメディアに紹介され話題となった。まるで立体模型のようにもみえるこれらの金魚は、透明な樹脂の上に描かれた平面の「絵」だというのだから驚きだ。

 まず器の中に樹脂を流し込み、その上にアクリル絵の具で金魚を描く。さらに樹脂を流し込みまた描く。アニメのセル画を重ねていくように、この作業を繰り返すことで、 絵が重なり合い、絵が立体感を増し、そこに命が与えられたかのような躍動感が生まれていくのだ。

ソース:Riusuke Fukahori Paints Three-Dimensional Goldfish Embedded in Layers of Resin | Colossal[https://web.archive.org/web/20120412061133/http://www.thisiscolossal.com:80/2012/01/riusuke-fukahori-paints-three-dimensional-goldfish-embedded-in-layers-of-resin/]

 深堀隆介氏公式サイト 金魚養画場 – 美術作家 深堀隆介[http://goldfishing.info/]

深堀氏は1973年愛知県生まれ。10年前のある日、絶望的になっていた作家を、飼っていた金魚が救った。さほど可愛がらず、なんとなく飼っていた一匹の地味な金魚。だが、落ち込んでいる作家の眼には、その子は最高に美しく見えた。「何故いままでその美しさに気がつかなかったのか。 何故いままでその狂気に気がつかなかったのか。 金魚は、善も悪も持っている。金魚には全てがある。だから美しいのだ。」作家にとってそれは、まさに決定的であった。その後、金魚がテーマの作品が大部分を占め始め、とうとう金魚だけになってしまう。

現在も金魚を通して、作風を問わず様々な表現を試みている。

 深堀氏を救ったものは、今までまったく気にも留めていなかった、だが常にそこに存在していた金魚。心がさびしくなったとき、目の前にモヤがかかり、行き先が見えなくなってしまったとき、そんなときは視線を自動探索モードに切り替えて、身近にあるものに目を向けることで見えてくる何かがあるのかもしれないね。

 それにしても凄いねこれは。最初から立体で作られているフィギアよりも立体感があるように見える。実際に肉眼で見てみたいな。

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