

最新の調査から、気候変動の影響によって、ロシアの永久凍土地帯にある都市で建物が倒壊する恐れがあることが明らかとなった。永久凍土の融解が都市に甚大な影響を与える可能性があるという。
本調査では、シベリアの都市4か所が詳細に調べられた。その63パーセントはロシア領内の永久凍土を地盤としている。
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既にその兆候が出始めている建物崩壊の危機
調査対象となった都市は地域のモデルケースとなる。地盤の”支持力”は弱まりつつあり、倒壊リスクは地域一帯の建物に一様に当てはまるからだ。住宅街も工業地域も倒壊の危機に瀕している。
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平均的に見ると、最も早く変化すると予測されるのはサレハルドとアナディリだ。一帯の支持力は2020年代半ば頃には致命的なレベルまで低下すると予測される。またヤクーツクとノリリスクでは、2040年代に致命的なレベルまで低下すると予測される。




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ロシア北極圏の気温は毎年0.12度ずつ上昇している
ただし、気候を予測する際につきまとう大きな不確実性ゆえに、断定的な結論までは出せないとも強調されている。これを補うために、変化の速度について6種のシナリオが提示されている。
それでも都市の下に広がる永久凍土の変化の可能性を考慮に入れた法規制や建築技法の確立が必要であることは明らか、と専門家は主張する。

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ロシア北極圏の気温が毎年0.12度ずつ上昇していることは多くの研究が示してきた。これは世界平均よりもかなり早いペースである。
そのため、かなり控えめな予測に依ったとしても、支持力は25パーセント未満の減少を見せると予測される。この場合、きちんと設計された構造であればそれほど影響を受けないが、そうでない場合は土台が壊れるかもしれないという。

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