米Googleは10月15日(現地時間)、AI動画生成モデル「Veo 3.1」とAI映像制作ツール「Flow」のアップデートを発表した。

Veo 3をベースに開発された「Veo 3.1」は、画像から動画への変換時におけるプロンプトへの追従性が向上、より豊かな音声表現、高度なナレーションコントロール、リアルな質感の映像品質を実現している。

今年5月に公開された「Flow」は、テキストや画像をプロンプトとして入力し、効率的に映像コンテンツを生成できるオールインワンツールである。専門知識がなくても直感的に使用でき、物語性のある映像作品を作成できる。Googleによれば、これまでに2億7500万本以上の動画がFlow上で生成されたという。

Veo 3.1とFlowのアップデートにより、従来は個別に後処理が必要だった音声の追加がFlowの機能に統合され、より自然で一貫性のあるシーン作りが可能となった。

具体的には、複数の参照画像からキャラクターやスタイルを維持した動画を生成する「Ingredients to Video」、開始画像と終了画像を指定してその間を動画でつなぐ「Frames to Video」、既存のクリップの続きを生成してより長い動画を作成する「Extend」といった機能において、シーンに合わせた音声が自動で付与される。映像と音声を一体的に生成できることで、ユーザーは没入感のあるストーリーを直感的に作り上げられる。

また、Flow内で生成後の動画を編集できる新機能も用意された。

Insert:プロンプトで指示した新しいオブジェクト(人物、動物、架空の生き物など)を自然に追加できる機能。Veo 3.1は、追加されるオブジェクトの影や周囲の照明を自動的に処理し、自然な挿入を実現する。
Remove:動画内から不要なオブジェクトやキャラクターを除去する機能。AIが除去された部分の背景を自動で再構築し、違和感のない映像に仕上げる。この機能は近日中にFlowで利用可能になる予定。

これらの新機能により、従来であれば再生成や他の映像編集ソフトが必要だった作業をシームレスに完了できる。

Veo 3.1はFlowの他にも、「Vertex AI」 (エンタープライズ向けAI統合プラットフォーム)やGemini API、一般ユーザー向けの「Gemini」アプリなど、GoogleのAIエコシステム全体に展開される。新機能はGemini APIとVertex AI でも利用可能となる。
(Yoichi Yamashita)

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