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目指したのは不朽の美しさ

ザガートは、ドイツのモータースポーツ企業カプリコーン向けに新型ハイパーカーを開発した。最高出力900psのV8エンジンとマニュアル・トランスミッションを搭載する。

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カプリコーン01ザガート(Capricorn 01 Zagato)』と名付けられたこのモデルは、デジタルスクリーンや運転支援システムの存在感を最小限に抑え、アナログなドライビングを重視した設計となっている。

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プリコーン01ザガート    カプリコーン

LMP1レーシングカーに着想を得たカーボンファイバー製シャシーをベースとし、ボディワークも同素材で構成されているため、車両重量は1200kg未満だ。

フォード製のスーパーチャージャー付き5.2L V8エンジンを搭載し、カプリコーンによるチューニングで最大トルク102kg-mと「900ps以上」の出力を発生する。ただし、まだホモロゲーションを受けていないため、最終的な数値は若干変更される可能性があるという。

この圧倒的なパワーは、5速ドッグレッグ式マニュアル・トランスミッションを介して後輪に伝達される。

カプリコーンによれば、01ザガートは0-100km/h加速を3.0秒未満で達成し、最高速度は360km/hに達するという。

制動力は、ブレンボ製6ピストンキャリパーと特注のアンチロックブレーキシステムを備えたカーボンセラミックディスクによって確保している。

ステアリングは、低速時にのみ作動する電動パワーアシストが備わっており、高速時には解除してドライバーにより多くのフィードバックを提供する。

ザガートのチーフデザイナーである原田則彦氏は、01のスタイリングについて、ヴィンテージブガッティやアストン マーティンと並んで、コレクションの中で「時の試練に耐える」こと、つまり「40年、50年経っても変わらぬ美しさ」を目指したと語った。

そのため、01にはリアビューカメラではなく、従来のサイドミラーが装備されている。リアビューカメラは新しい技術であるため、数年で時代遅れになってしまうからだ。

ボディとフロアは、グラウンドエフェクト(地面効果)を活かしてダウンフォースを最大化するよう設計されている。これにより、カナードや大型のリアスポイラーを取り付ける必要がなくなり、公道走行時のドライバビリティも向上しているという。

カプリコーンのロベルティーノ・ワイルドCEOは、「安定性確保のために、一定かつ予測可能なダウンフォース配分を実現したかった。ダウンフォースを極端に高めると、動作範囲を狭めてしまい、運転が神経質になってしまうからです」と語った。

インテリアは歴史的なレーシングカーから着想を得ており、アナログ計器盤のかなりの面積を回転計が占めている。ドアはガルウィングだ。

シートは固定式だが、フォードGTと同様にペダルボックスの位置は前後方向に調整可能で、さまざまな体格のドライバーに対応する。シフトレバーも前後方向に80mm移動できる。

タッチスクリーンは搭載されていないが、ダッシュボードから小さなディスプレイが立ち上がり、バックカメラの映像を表示する。

走行モード(コンフォート、スポーツ、トラック)はステアリングホイールのダイヤルで選択する。

カプリコーン01ザガートはわずか19台の限定生産で、税抜き価格は295万ユーロ(約5億2000万円)からとなる。

欧州規格に準拠した認証を受けるため、英国をはじめとする世界の一部地域でも公道走行が可能だ。


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