兵庫立コウノトリの郷公園(豊岡市)が2005年秋から実施しているコウノトリの野生復帰事業で、放鳥されたコウノトリの約85%が、また戻ってきてしまい、公園の餌に依存している実態が明らかになったそうだ。

 大空を自由に飛び回り狩りをするよりも、何もしなくても餌が豊富にある公園から離れられなくなってしまったという。

放鳥コウノトリは“スネかじり” 公園の餌に依存85%[https://web.archive.org/web/20101107154925/http://sankei.jp.msn.com/science/science/100917/scn1009171136003-n1.htm]

 コウノトリの郷公園によると、放鳥したコウノトリは5年間で計27羽。事故死するなどした6羽を除き、野生状態で生息する21羽のうち1羽は所在不明で、18羽が放鳥後も公園内の飼育ケージに戻り、職員が用意した飼育中のコウノトリ用の餌のアジやフナを食べている。

 郷公園は餌が少ない冬場も毎日決まった時間に餌を与えているため、放鳥されたコウノトリも確実な餌場として利用するらしい。

 豊岡市内では、コウノトリが生息しやすい環境づくりのため、無農薬や減農薬でコメなどをつくる「コウノトリ育む農法」の農家が増え、現在の面積は約250ヘクタール。ここにはカエルなどの生物が比較的多く生息し、放鳥されたコウノトリの餌場に対応できるが、自力で餌捕りをしているのはたったの2羽だけだった。

 郷公園の大迫義人・主任研究員は「餌を捕って食べることができないのではなく、しようとしない状態。公園に戻ってくることを阻止することは難しく、今後は自立する対策を講じていく必要がある」と話しているそうだ。

 働いたら負けだと思っているのは、どうやら人間だけじゃないみたいだね。

 みんなが見守る中、大空に放たれたコウノトリだったのに・・・

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