生れてから一度もクモを見たことがないという人は稀だろう。そう、いたるところにクモは存在し、我々と共に暮らしている。

 アメリカの家庭を対象とした最近の調査によると、100%の家でクモが発見されており、そのうちの68%の風呂・トイレで、75%は寝室で発見されている。今この瞬間、クモがあなたを見つめている可能性はかなり高い。

 クモはほとんどの昆虫を食べる。大型の種ならトカゲや鳥、小型哺乳類まで食べる。その膨大な量と旺盛な食欲をかんがみて、世界中のクモが1年で食べれる量はどれほどだろうかと考えた者たちがいた。

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もしクモの餌が人間なら?

クモの食べる獲物の重さと全人類の重さを比較

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 スイス、バーゼル大学の生物学者のマーティン・ニフェラー(Martin Nyffeler)氏とウェーデン、ルンド大学のクラウス・ビルクホーファー(Klaus Birkhofer)氏の試算によると、全世界に生息するクモは年に4億~8億トンもの獲物を食べているという。

 この量は相当なものだ。世界の全人口70億人の体重をはるかに上回る。人間の成人全員のバイオマスは2億8,700万トンと推測されている。ここに子供の体重7,000万トンを加算しても、3億5,700万トンだ。

 もしクモの獲物が人間ならば、1年でペロリと全人類を食べ尽くしてしまうことができる。それどころかまた食べたりないのだ。

 なお、この試算には次の点において仮定が含まれている。

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(A)地球の主な生息域における1m2あたりの生息数

(B)体の大きさが異なるクモが1年に食べる平均量

平均すると1平方メートルに、131匹のクモがいる

 この考察からも面白いことが判明している。

 例えば、世界の平均的なクモ生息密度は約131匹/1m2だ。砂漠やツンドラでは減少するが、逆に1平方メートルの中に1,000匹以上というクモが好きな環境も存在する。

 それではクモはどんな場所が好きなのか?ニフェラー氏とビルクホーファー氏は特に定義していないが、おそらく暗く、埃っぽい場所だろう。あなたのベッドの下のような環境だ。

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クモの体重を合計すると2,500万トン、タイタニック号478台分

 全世界のクモを集めると、およそ2,500万トンの重さになる。ちなみにタイタニック号は5万2,000トンだ。全世界のクモの重さはタイタニック号478台分ということになる。

クモは毎日自分の体重の10%の餌を食べる

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 また各クモは1日に体重10%ほどの餌を食べるという。体重70キロの男性なら7キロの食事量に相当する。

 念のため言っておくと、こうしたクモの暴食ぶりは人間のためにもなっている。彼らの主な餌は虫であり、庭の害虫やご家庭内の蚊・ハエの類も食べてくれるからだ。

 この研究結果は、科学誌『サイエンス・オブ・ネイチャー(Science of Nature)[https://rd.springer.com/article/10.1007/s00114-017-1440-1]』で発表された。

via:Science of Nature[https://rd.springer.com/article/10.1007/s00114-017-1440-1?wt_mc=Affiliate.CommissionJunction.Authors.3.EPR1089.DeepLink&utm_medium=affiliate&utm_source=commission_junction_authors&utm_campaign=3_nsn6445_deeplink&utm_content=deeplink]・mentalfloss[http://mentalfloss.com/article/93820/spiders-eat-hundreds-millions-tons-bugs-every-year]・dangerousminds[https://web.archive.org/web/20170805134617/http://dangerousminds.net:80/comments/the_worlds_spider_population_could_eat_every_human_being_in_a_year?]など/ translated hiroching / edited by parumo

 とにかくやばいくらいのクモがこの地球上には生息しているということだ。人類で最も多い恐怖症がクモ恐怖症であることも頷ける。だが一部のクモは益虫であり、我々人間の暮らしやすさに奉仕してくれているということも忘れてはならない。

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