10月某日。旬の街情報を求め、ひねもすのたりと都内を散策していたところ、リポート取材で度々お世話になっているコスプレイヤー、泉れおなさんから連絡が届いた。彼女の話によると、都内某所に9人のイケメンコスプレイヤーが集まり、夜な夜な秘密の会合を開いているという。「怖い集まりだったら嫌だなぁ」と不安がる記者をよそに、今回は泉さん主導で、謎に満ちたイケメン集団を取材することになった。

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この度、潜入を試みたのは、JR田端駅付近で営業中の某撮影スタジオ。早速、内部に入り込むと、撮影機材の前で身だしなみを整えている、執事姿の7人を発見。ここは慎重に、彼らの素性を調べたいところだが、潜入早々、イケメンに魅了された泉さんが前へ前へと出てしまい、わずか数秒で見つかってしまうハメに…。

だが、彼らは怒るどころか、逆に泉さんの手を取り、来賓席まで優しくエスコートしてくれた。これは一体、どういった集まりなのか?代表の浅霧翔さんに質問してみたところ、こちらの9人(ふたりは病欠)は、もともと多方面で活躍中の人気コスプレイヤーで、10月17日(土)に、秋葉原で1日限定カフェ「Assiette Cafe(アシェットカフェ)」をオープンするという。そのための会合を連日、翔さんがオーナーを務めるスタジオで行っていたというわけだ。

コスプレ業界でも、男性レイヤーが集まってカフェを開く…という試みは、かなり珍しいという。オープンに至るまでの経緯を、翔さんに聞くと、「もともと、よく“合わせ(同じ作品に登場するキャラクターに扮したコスプレイヤー同士で集まること)”をしていたメンバーで、何か面白いことをやってみたい、という話が出たのがきっかけですね。女性レイヤーの中には、定期的に1日限定カフェを開いている方もいらっしゃいますが、男性レイヤーでそういう活動をしている人はほとんどいなかったので、だったら僕たちでやってしまおうと。いざ動き出したら、店舗もすんなり決まり、メンバーもどんどん増えていって。想像していた以上に、物事がスムーズに進んでいき、僕たち自身も驚いています」とのこと。

ちなみにコスプレ業界では、女性に比べて男性のレイヤーは圧倒的に少数で、イベントでも肩身の狭い思いをすることが多いという。りゅうとさんによると、今回のカフェ展開には“男性レイヤーの地位向上”という目的もあるそうで、「撮影スタジオでも、男性用の更衣室は狭かったり、中には更衣室そのものがないところもあったりして、不便に感じることが多いんです。だからこそ、こういった活動を通して、男性レイヤーも頑張っていることを世の中にアピールしたい、という狙いがあります。とはいえ、やはりカフェをオープンする一番の理由は“ファンの皆さんともっと交流を深めたい”ということですね」と話してくれた。

そうして、カフェの公式サイトを立ち上げたところ、わずか数日で予約は満席になったそうで、この反響には、りゅうとさんをはじめメンバー全員が驚いているという。「接客経験のあるメンバーがあまりいなかったので、最初はできるだけ小規模に展開する予定だったんです。ところが、いざ受付を開始したら予約が殺到して。中には、『カフェに行くために飛行機を予約しました!』という方までいらっしゃって、こんなに注目してもらえていることに感動しました。応募したけど当たらなかった…というご意見も多かったので、第2回、3回と、定期的にカフェは展開していきたいですね」。

このように、多くのコスプレファンから注目されている同店だが、メニューにはどのようなこだわりがあるのだろうか?見どころとなるポイントを、柚木崎礼央さんに聞いてみた。「実は、今回僕たちが扮しているのは、プリンやワッフル、アイスなど、9種類のデザートをイメージしたオリジナルキャラクターなんです。それぞれが、自分が担当するデザートをアレンジしたオリジナルメニューをご用意しますので、ぜひそちらを味わっていただきたいですね。メニュー以外にも、僕たちが扮するキャラクターをイラスト化し、それをデザインしたグッズも販売しますので、そちらにも注目していただけると嬉しいです」。

9名のイケメンコスプレイヤーによる“おもてなし”が受けられる1日限定カフェ、Assiette Cafe。10月17日開催の第1回は、すでに予約で満席の状態だが、今後も定期的に開催されるかもしれないので(!?)、気になる人はこまめにサイトをチェックして、メンバーの動向に注目しておこう。【東京ウォーカー/取材・文=ソムタム田井】

9人の人気コスプレイヤーが集まり、来客をおもてなし!