10月20日発売の「FLASH」では、新朝ドラあさが来た』(NHK)のヒロイン・波瑠(24)の素顔を紹介している。ファッション誌「セブンティーン」(集英社)では、モデルとして活躍していたが、それほど人気はでなかった彼女。だが映画『女の子ものがたり』(2009年)で、森岡利行監督に指導されて、女優として目覚めた。

 その後、映画『マリア様がみてる』(2010)では、自ら撮り直しを要求するなど、女優としてプロフェッショナルな姿勢を見せ始める。極めつけは、映画『みなさん さようなら』(2013)での、初のベッドシーン。3日間で3度の官能シーンをひるむことなく演じて、女優としての度胸、プロ意識を見せつけるに至った。

 今回の朝ドラは、新婚初夜のシーンから始まったことで話題となったが、彼女にとっては朝飯前の演技なのだろう。10年目にしてようやく手に入れた朝ドラヒロインを、好演している。

取り戻した視聴率20%超え

 今回の朝ドラには、NHKの本気度がうかがえる。2013年の『あまちゃん』以来、常に視聴率20%の大台を超えてきたが、前回の『まれ』は19.4%と大台割れ。“朝ドラブーム”に陰りか、とさえ、ささやかれていた。そんな世間の風評を覆すような好調を見せる『あさが来た』。3週を終えた現在でも、平均視聴率20%を超え、回を重ねるごとに右肩上がりだ。

 視聴者からは、「これぞ本来の朝ドラ」「見たい朝ドラが帰ってきた」といった反応が多く、前回の『まれ』で朝ドラを離れてしまった人も取り戻して、再びブームを巻き起こしそうな勢いだ。

 テレビ関係者によれば、

「ブームに陰りがあるといわれた『まれ』の反省点を活かして、今回は、新人や若手ではなく、宮﨑あおい(29)や玉木宏(35)など着実な演技力とネームバリューを持った出演者を並べた鉄壁の布陣で望んでいます」

 キャスティングだけではなく、NHKは話題作りにも精力的に動いたようだ。

「まず、主題歌がAKB48。これで世間の注目を集めました。ヒロインの波留が、4度目のオーディションで主役の座を勝ち取ったことも大いに話題となりました。また、今回の朝ドラは史上初の幕末スタート。『大河の幕末が満足できない人はこちらに』とでもいうようです。初回で描かれた幼いヒロインあさ(鈴木梨央・10)と許婚・白岡新次郎(玉木)の出会いでは、二人の“年齢差”がネット上をざわつかせ話題になりました。ヒロインは子役だったのに、玉木に若い役者を使わなかったったのは、話題性を狙っていたのかもしれません。さらに、流行語になった『あまちゃん』の『じぇじぇじぇ』を彷彿とさせる、ヒロインの口癖『びっくりぽん!』。何が何でも話題にさせたいというNHKの本気がうかがえます」(同関係者談)

「びっくりぽん!」に関しては、「あざとすぎないか」と一部視聴者からの意見もあるものの、それも含めて話題作り。NHKの戦略通りだ。

 鉄壁の布陣に豊富な話題と、これまでの朝ドラの中ではかなり力が入っている『あさが来た』。NHKの本気を見せつけて、朝ドラ史上ナンバー1となる可能性も高い。今後の視聴率の行方に注目だ。

(文/タナカアツシ)

写真は番組HPより