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何事も、初めての経験というのは記憶に残りがちだ。恋愛、就職、どれも最初の体験は試行錯誤しがちなので頭の中に強く刻まれるのだろう。

これはギャンブルにおいても言えること。僕は2003年に高卒でパチンコホールの社員になり、開店前のホールでパチンコ台の回転数を調べるために試し打ちしていたら確変が7連チャンしてしまい、「なぜこんなところビギナーズラックを発揮してしまったのか」と大いに悔やんだ

当時のパチンコって確変継続率が50%しかなく、これを7連もするってのは尋常でない運の使い方をしたことになる。多分もうこの悔しい経験は一生忘れないに違いない。そんな感じで今回は、初めてパチンコをして、しかも勝っちゃった未来の依存症有力候補の話をしたい。(文:松本ミゾレ)

初パチンコで快勝したビギナーの油断にほっこり笑顔

先日、5ちゃんねる「初めてパチンコ打ったら普通に1万円勝ったww」というスレッドが立っていた。スレ主は「なんか言われてるよりそんな大したことないな」と書き込んでいる。

大したことないとか言いつつしっかりとスレッドまで立てているわけだから、よほどうれしかったに違いない。が、スレ主はあくまでも冷静を装っている。

「5万円からじゃないとか遊べないとか聞いてたけど普通に2000円くらいで当たったわ」と、誰も質問していないのにつらつらと書き込んでおり、さらに負けた人からの書き込みに対しては「どうしたらそんな負けれるの?」や「全然意味分からんけどへたくそなんやね」と煽る始末。

分かる、分かるぞ。賭博であぶく銭を手にすると、その瞬間は割と世界が輝いて見えてしまうし、負けた人をゴミクズみたいに見てしまうんだよな。経験があるからよく分かる。

こういうビギナーズラックがあるから、私たちのような化け物が生まれてしまうのだ……。
彼はこのスレッドを10月26日に立てている。きっとこのままでは終わるまい。下手をすれば次の週末には、本当の意味でパチンコを体感することになるのである。

だって初勝利で嬉しくて5ちゃんねるにスレ立てするぐらいなんだよ? このまま足を洗えるはずがねえよ。

パチンコは体験すること自体が危険なのだ

もっとも、パチンコ依存症の人というのは別に最初に打った時に勝ってしまったから、そのままズブズブ行くという限りでもない。もちろんビギナーズラックを発揮していきなり数万円勝ってしまうことも不幸への特急券になってはしまうが、意外にも負けたことでのめり込む人もいる。

筆者が知っている限り、これまでの人生でさほど挫折を味わっていない人。あるいはとても恨み深い人。そういう人は負けたことでスイッチが入ってのめり込み勝ちだ。

とかくパチンコは、勝っても前述のスレ主のように調子に乗ってそのままハマってしまうことはあるし、負けても取り返すために人を躍起にさせることはある。勝敗は関係ない。体験することで依存症の呼び水になってしまう。そういう恐ろしい魔力を有しているのだ。

ただ、冷静に考えればパチンコみたいな運ゲーで連勝なんか絶対無理。それこそパチプロが良い釘の台を毎日10時間以上粘っても振り分け負けすることがある。絶対に連勝し続けることはできない。

まして普通の客なんて釘も読めなきゃ今は何か知らんが技術介入すらもご法度。そう考えるとパチンコなんか打てたものじゃないと気付くわけで、僕ですら今は全く興味がない。目の前に大当たり中の台が放置されていた、とかじゃない限りもう打たない……ってかもう打てないよ。怖いもん。

初パチンコで1万勝ち「大したことないな」「どうしたらそんな負けれるの?」調子に乗りまくるビギナーに思うこと