
前年度5.6%から大幅増目指す
ボルボは今後の新型EVでコスト削減と利益率向上を図るため、吉利グループで共有するハードウェアの使用を拡大していく。
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同社は市場シェア拡大とEV販売比率向上を柱とする新戦略の一環として、営業利益率8%達成を目指す計画を発表した。これは前年度の5.6%から大幅な増加となる。
すでに14億ポンド(約2800億円)規模のコスト削減計画に基づいて3000人の人員削減を発表しており、今後は吉利グループの一員としての立場を活用し、新製品の開発におけるコスト削減と効率化を図る方針だ。これにより「吉利との共同ハードウェア調達を強化」することになる。
研究開発責任者のアンダース・ベル氏はAUTOCARの取材に対し、「吉利は特に中国で強力な存在となり、ボルボはこれまで以上にその恩恵を受けられるようになりました」と説明した。現代の自動車業界では「規模、シナジー、共有」が収益向上に不可欠で、今回の動きは重要な意味を持つという。
ベル氏は、吉利グループの兄弟ブランド(ポールスター、ロータス、LEVC、Lynk&Coなど)と具体的にどうハードウェアを共有するかについては言及を避けたが、「製品の差別化以外の領域でパートナーを見つけ、シナジーを追求することは歓迎したい」と述べた。
ただし、このシナジー追求でボルボの独自性が損なわれることはなく、他のブランドとは明確に区別されるよう努めていくとベル氏は強調した。
「独自性とブランドの遵守、そしてお客様からの期待に応えることが重要です。当社は決してこれらを放棄することはありません。同時に、協業の機会も模索します」
「過去100年間当社を支えてきた技術的強みを、次の100年も守り抜く必要があります。その本質は実に明快です。美しいスカンジナビアデザイン、信頼性、人間中心のハイテク。これこそが今後もボルボ車の成功の秘訣となるでしょう」
車載ソフトウェアに磨きをかける
この理念を体現するのが、新開発のSPA3モジュラープラットフォームを初採用した新型『EX60』であり、「電動パワートレイン、エレクトロニクス、ソフトウェアの完璧な融合」と称される。特にソフトウェアは、ボルボが「完全ソフトウェア定義型車両(SDV)」のメーカーを目指す中で重要課題となっている。
ベル氏は、ソフトウェア分野で苦戦したことを認めた。フラッグシップSUVである『EX90』は最近、新しいソフトウェアスタックにおける複数の不具合やバグに対処するため、大規模な無線アップデート(OTA)の対象となった。
しかし、EX90は技術的にまったく新しい試みであり、その先駆的な性質ゆえに「単なる自動車以上の存在で、自動車製造そのものの根本的な変革であり、プラットフォーム全体、ソフトウェアファクトリー、そして全プロセスの刷新」を象徴するモデルだとした。
初期のバグが顧客に影響を及ぼしたことは「残念です」とベル氏は語った。しかし、最新のソフトウェアアップデートにより、EX90は「他社モデルを上回る品質指標」を達成しているという。
「不安定な時期は終わりました。残念な出来事でしたが、すでに解決済みです。現在は安定期にあり、このダイヤモンドを磨き続けなければなりません」
このダイヤモンドとは、EX90の全システムを支える技術スタックを指す。その最新バージョンが新型『ES90』に搭載されており、1月21日発表予定のEX60にも採用される。
ライバルとどう競り合うか
ベル氏は、「すべてのモデルで同じことを繰り返すつもりはありません」と力を込める。
ボルボは「レベル5の完全ソフトウェア定義型車両を実現した初の老舗自動車メーカー」であり、そのため「多くの技術を自社で開発せざるを得なかった」ことが初期の不具合の原因だという。サプライヤーから調達できる製品も、手法を解説するマニュアルやツールも存在しなかった。
「現在ではこうした技術が急速に普及しています。当社は運用と管理手法を深く学び、目指すべき成果も明確に捉えています」
ベル氏はソフトウェア性能以外にも、EX60は競合相手である新型BMW iX3やメルセデス・ベンツGLCと「性能数値で間違いなく競合する」としたが、「数値だけではクルマは売れない」とも語った。
代わりに、「人を惹きつける魅力、素晴らしい顧客体験、そして製品とデジタルライフの完璧な統合」で訴求するとのこと。
ボルボはEX60の正式発表まで出力、航続距離、価格などの詳細を一切明かさない構えだ。競合車種に迫る性能を実現するのか、また「より低コストでボルボブランドへ顧客を呼び込む」戦略が価格面で競合を下回るという意味なのかは現時点でわかっていない。
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