

毒々しい赤色で、タコのような触手をもつこの生き物、遺伝子組み換えではなく、まぎれもなく自然が作り出したキノコだ。
英語の学名はクラスルス・アーチェリ[https://en.wikipedia.org/wiki/Clathrus_archeri]で、英語圏では「Octopus stinkhorn」(タコの臭いツノ)や「Devil’s fingers」(悪魔の指)と呼ばれることもある。日本では一般に「タコスッポンタケ」と呼ばれている。
この和名は、このキノコが「スッポンタケ科[https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%83%E3%83%9D%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%82%B1%E7%A7%91](Phallaceae)」に属していることに由来する。英語の学名はギリシャ語のphallos(男根)に由来するのだが、それがどういうわけか日本語訳されたときにスッポンになった。
ここでは便宜上タコスッポンタケとして話を進めさせていただこう。でもってこのキノコ、見た目もアレだがニオイも強烈で、嗅いだだけで気分を悪くする人もいるという。
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まずはこのドクドクしい映像を見てほしい。
タコスッポンタケは北米、アジア、ヨーロッパなどどこでもみられるが、元々はオーストラリア原産。スペルンペント(superumpent)という卵のようなものから、孵化するように芽を出して成長する。

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まず先端に4本から7本の長くしなやかな腕を伸ばす。数時間でずい柱部分が伸び、腕がほどけてだらりとなって、まるでタコの足がのたくっているような格好になる。タコスッポンタケはこの触手状態の姿がよく知られている。
子実体の内部の胞子をつくる多肉質組織グレバは、まさにタコを思わせる。しかし、胞子が空気にさらされて数時間もすると、キノコは崩壊し始める。


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スッポンタケの仲間は、成熟すると腐肉のような悪臭を放つ。つまり、このキノコは哺乳類や鳥類ではなく、卵を産みつける最適な場所を探しているハエを惹きつけるために、このような姿に進化してきた。
ハエがこのキノコにとまると、だまされたと気づいてすぐに飛び去るが、そのとき、グレバがハエの体にくっついて運ばれ、胞子が拡散するというわけだ。

においは強烈だが、このキノコはいちおう食べられる。ラディッシュのような味がするという。また、油で揚げると魚のような味がするとも言われている。
オーストラリアのアボリジニはやむを得ない場合の最後の手段として食べていたらしい。つまり食用には適しない。それなのに、なぜこんなキノコがオーストラリア以外の国にも広がったのだろうか? 原産地以外で繁殖する利点はなんだったのだろう?
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偶然が重なった結果のようだ。19世紀の終わりから20世紀の始め、オーストラリアは大量のウールをヨーロッパの紡績工場に輸出した。
このキノコが最初に発見されたのは、1918年第一次大戦中のフランスで、オーストラリアの部隊が駐留していた軍事基地の近くだったという。
いったん根付くと、小さいが生命力の強いこのスッポンタケは、新たな生息地を広げて次々と繁殖していった。

アメリカの場合、初めて発見されたのは1980年代。アメリカに輸入された外来植物の土からもたらされたと思われていた。本来の野生動物や植物に脅威を与えないとみなされた侵入生物種だ。
References: Kuriositas[http://www.kuriositas.com/2013/10/fungtopus-incredible-fungus-that-looks.html]



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