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その奇抜さに、どこか惹かれてしまう

世に出るクルマすべてが魅力的だとは限らない。この特集で紹介するクルマにも同じことが言えるかもしれない。だがどれも、どうしても好きになってしまう何かがある。

【画像】他の「ミニ」とは一味違う! 個性的スタイルが目を引く【ミニ・ペースマンを詳しく見る】 全26枚

今回はあまりメジャーではないかもしれないが、普通のクルマとは一味違った、筆者(英国人)の心を掴んで離さないクルマを取り上げたい。

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少々奇抜だがどうしても好きになってしまうクルマを40台チョイスした。

BMW iX

発売当初、iXはその長いウサギの歯のような「キドニーグリル」デザイン、奇妙な台形のフロントボディパネル、そして「駆けぬける歓び」のイメージにそぐわないという理由から後ろ指を指されていた。しかし、iXの快適性は非常に高く、エレクトクロミックサンルーフやパワフルなBowers & Wilkins 4Dオーディオシステムといったハイテク装備も満載だ。

最高出力326psを発生する標準仕様のiX xドライブ40では、電光石火のスタートダッシュとは言えないが、一度走り出すと瞬時のスロットルレスポンスが非常に楽しい。正直なところ、あのアグレッシブなヘッドライトの横に、もっと小さなグリルを付けても似合わないだろう。

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BMW iX

ルノー・アヴァンタイム

ルノー・アヴァンタイムの独特なデザインとボディ形状は、多くの者から「変」だと評された。しかし2001年の発売以来、アヴァンタイムのようなミニバンクーペは他になく、この唯一無二の存在感が筆者を惹きつけてやまない。3.0L V6エンジンとフェンダーマウントグリルを備え、まるでルノー・スポール(RS)のバッジを付けたクルマのようにも見える。

サイドビューが最も魅力的だ。大きな窓とシルバーのルーフセクションがスポーティな印象をさらに引き立てている。ルノーがアヴァンタイムに膨大なリソースを注ぎ込み、他のミニバンに追随せず、リスクを冒してコンセプトカーを市販化したことは明らかだ。

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ルノー・アヴァンタイム

ボルボ240

同時代の他車ほど洗練された見た目ではないため、退屈だと感じる人もいただろう。だが筆者が特に気に入っているのは、まさにこの優雅で魅力的な、レトロな外観だ。四角いフロントグリル、大型ヘッドライト(便利なワイパー付き)、フロントとリアを一直線につなぐサイドトリップを備えている。

内装はかなりシンプルだが、操作感のいいロッカースイッチが装備され、レトロなヘッドレストが見た目を引き締めている。155psのターボモデル「フライング・ブリック(空飛ぶレンガ)」は、現代の性能基準で見てもなお軽快な印象を受ける。

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ボルボ240

ダイハツ・コペン

コペンの可愛らしいスタイリングを好まない人も多かった。そのボディ形状はクロックスサンダルに例えられることもある。小型版アウディTTのようなスタイルで、角度によってはポルシェ911を彷彿とさせる。そういった意見も完全に否定はできないが、コペンはスマートな電動折り畳みルーフと、64psのターボチャージャー付き660ccエンジンによる爽快なオープントップ体験を提供してくれた。

公道では850kgという軽量ボディが活き、驚異的な速度でコーナーに突っ込んでも素晴らしい路面フィードバックを得ることができた。

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ダイハツ・コペン

アルファ・ロメオ・ブレラ

発売当時、ブレラは高級GTクルーザーなのかスポーツカーなのかはっきりせず、前輪駆動レイアウトもあだとなって、ターゲット層は日産350Zへと流れてしまった。1445kgと重く燃費も悪い。さらにシャシーも期待外れで、ハンドリングは鈍かった。

それでもなお、ブレラの印象的なルックスには感嘆せざるを得ない。リアバンパーから突き出た4本出しマフラーからフロントヘッドライト、尖ったグリルまで、猛禽類を思わせるデザインである。

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アルファ・ロメオブレラ

マトラ・ランチョ

1970年代後半、オフローダー市場がにわかに熱を帯びる中、マトラは新型ランチョを「多目的レジャー車両」として売り出した。オフロード性能はハッチバック並みで、全車が前輪駆動、ギアのハイ&ローレンジもなし、ボンネット下にはわずか80psの1.4Lエンジンを搭載していた。

性能は物足りないが、その風変わりな外観は魅力的だ。黒いバンパー、大型のフロントフォグランプ、高めのボディシェイプ、レトロなスタイリング。それが筆者が気に入った理由だ。本格オフローダーというよりはクロスオーバーのような存在だが、この分野の先駆者としても評価できる。それに、このようなプロモーション写真がある点も高評価だ……。

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マトラランチ

ヴォグゾール・アストラ・クーペ

アストラ・クーペはカリブラの後継を目指したモデルだが、完全には成功しなかった。ボディは流麗だがカリブラほどのインパクトはなく、搭載エンジンは非力で期待外れの性能だった。稀少なターボモデルは速いが、トルクステアが気になるところだ。

完璧とは言えないが、アストラ・クーペは今なお洗練された外観を保ち、その俊敏な走りは信号待ちでポルシェ・ボクスターのドライバーに二の足を踏ませるほどだった。

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ヴォグゾール・アストラ・クーペ

ローバー800クーペ

ローバー800は米国ではスターリングブランドで販売された。さまざまな不具合に悩まされ、特にエアコン作動時にヘッドライトが暗くなるといった現象は、英国車の品質に対する米国ユーザーの偏見を確固たるものにした。弱点の一部は修正されたが、クーペの発売前にスターリングが米国市場から撤退。英国国内ではドイツ車との競争に敗れた。

とはいえ、ローバー800クーペは長いボンネット、サイドトリップ、黒のパイピングを施した豪華なレザー内装、そして当時としては見事な仕上げのウッドパネルが随所に施され、今なお優雅な雰囲気を漂わせている。

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ローバー800クーペ

ボルボ480

ポルシェ944のように、ウェッジシェイプのノーズにリトラクタブル・ヘッドライトを備えたハッチバックほどクールなものはない。480を上下逆さまにすれば、フォグランプとフロントグリルボルボ240にそっくりだと気づくだろう。楽しいボディデザインがたまらなく魅力的だ。見た目は良かったが、当時は性能の低さがネックとなっていた。しかし、ボルボが1.7Lエンジンにターボを装着すると、最高速度は190km/hを超えた。

筆者は、480は今の時代にもよく映えるクルマだと思う。ぜひ1台欲しいものだ。

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ボルボ480

ホンダ・インサイト

ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせたホンダハイブリッド車は、すべてインサイトから始まった。2人乗りのインサイトは低転がり抵抗タイヤの助けもあり、最大35.0km/lの低燃費を実現。その未来的な涙滴型デザインは型破りで、後輪が彫刻的なカバーの下に隠されている。万人受けするデザインではなかったが、洗練された宇宙時代のガラス製トランクリッドとあわせて、筆者は大変気に入っている。

ボディパネル、ホイール、主要構造は全てアルミニウム製で、重量はわずか835kgに抑えられている。

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ホンダ・インサイト

BMW X5

X5に標準装備された3.0Lディーゼルエンジンは性能面で傑出したものではなく、さまざまな電気系統の不具合にも悩まされ、購入を躊躇させる要因となった。また、その外観も万人受けするものではなかった。

一方で、これは舗装路走行において真に優れた性能を発揮する初のSUVだった。その点は何と言ってもBMWだ。オフロードでも十分な性能を備えており、さらに360psを発生する4.8L V8エンジン仕様も選択可能だった。BMW初のSUVとしてはまさに申し分ない存在である。

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BMW X5

メルセデス・ベンツA210エボリューション

2002年当時、Aクラスにはスポーツ性を重視するモデルではなかった。そこでメルセデス・ベンツは意を決して、A210エボリューションを生み出した。140psの2.1Lエンジンを搭載し、0-97km/h加速で8秒を切る性能を実現。これは「おばあちゃんショッピングカート」などと揶揄されていたAクラスとは一線を画す特徴だった。

Aクラスの見た目は確かに人気が低かったが、車高を下げ、控えめなAMG仕様にドレスアップし、2.1Lエンジンを無理やり載せて魅力向上にチャレンジしたメーカーの姿勢は称賛に値する。

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メルセデス・ベンツA210エボリューション

日産キューブ

キューブは発売当時、その箱型でコンパクトかつ背の高いデザインが注目を集めた。2010年に英国へ正式輸入されるまでは日本国内専用車だった。「第二の我が家」や「移動式リビング」と謳われ、ハンドリングや速さは二の次だった。高い天井と広い運転視界を備え、車内は広々としており、ソファのような柔らかいシートが採用されている。あえて他とは一線を画した挑戦的なモデルであったため、英国では販売不振により2011年に撤退してしまった。

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日産キューブ

アルファ・ロメオSZ

SZの型破りなボディは、グループAツーリングカーの75をベースにしたスチール製バックボーンシャシーに載せられている。エンジンはチューンされた『ブッソ』V6で、210psを発生。これにより、0-100km/h加速7秒、最高速度245km/hというスポーツカー並みの性能を実現したが、当時の英国価格はBMW E30 M3より約1万5000ポンド(約300万円)高かった。

生産台数はわずか1036台に留まった。これは生産リソースがロードスターのRZへ集中したためで、RZも財政難により278台で生産中止となった。SZは最速のマシンとは言えず、その彫刻的なフォルムも好みが分かれるが、異次元的なデザインゆえにいつまでも心に残る特殊な存在だ。

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スズキX-90

スズキはヴィターラの部品を流用し、コンパクトで丸みを帯びたコンバーチブルクーペのボディに詰め込んで、X-90を誕生させた。X-90はいつしか「バービーのジープ」などと呼ばれるようになった。標準装備は充実しており、パワーウィンドウ、ドアロック、パワーステアリング、Tトップのタルガルーフ、スモークガラスを備えている。ただし駆動方式は前輪駆動が標準で、四輪駆動はオプションだった。

1100kgの軽量ボディにより荒れた路面も優に走破できるが、95psの出力では急勾配に苦戦した。ニッチな存在ゆえに、X-90はやがて姿を消した。コンパクトなオフローダーとして優れた性能を持ち、さまざまなオフロード用アクセサリーを装着した姿は格好良かっただけに、廃止が惜しまれる。

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スズキX-90

ダイハツ・ミゼット

1957年に初登場したミゼットは、3輪、ドアなし、1人乗りという人力車のレイアウトを踏襲した軽トラックだった。1996年に登場した2代目モデルは四輪化し、完全密閉キャビン、1人乗り/2人乗り仕様、軽自動車規格に適合する660ccエンジンを搭載した。

その風変わりな外観は賛否両論を呼び、疑問視する声も少なくない。しかし、どこか愛嬌があり、日本の軽自動車がいかに特別であるかを改めて認識させてくれる。

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ダイハツ・ミゼット

ミニ・ペースマン

ペースマンが発売された当時、そのベースとなったカントリーマンと同じ道を歩んでいたため、真価を理解していた人はあまりいなかった。1.6Lガソリンおよびディーゼルクーパー、ターボチャージャー付き2.0LのSD、ターボチャージャー付き1.6LのクーパーS、そして最上位モデルのJCWバリエーションが用意されていた。しかし、ベースモデルのクーパーには、ミニの魅力を感じさせるものは少なく、その傾斜したルーフラインはレンジローバー・イヴォークを模倣しているようにも見えた。

しかし、SまたはJCWモデルにおいて、シャープなストライプ、四輪駆動のAll4システム、ラウンジタイプのリアシートなど追加のパッケージを多数装備すると、魅力がぐんと深まる。サイズや本質的にはオリジナルのミニとは異なるかもしれないが、風変わりなスタイリングにはどこか愛らしさを感じてしまう。

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ミニ・ペースマン

レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブル

発売当時、人々は「なぜオフロード車にコンバーチブルが必要なのか? 水たまりを走ったらびしょ濡れになるではないか」と疑問を呈した。しかし、ルーフを格納したときのそのフォルムは、とにかくクールだ。ランドローバーはルーフカットによるシャシー剛性低下を補うため、250kg以上の補強材を追加した。コンバーチブル仕様を奇妙だと考える人もいたが、コンセプトスケッチの段階からすでにエヴォークの一部として描かれていたのだ。

ルーフは18秒で格納され、270ポンド(約5万5000円)のウィンディフレクターをオプションで装着すれば風切り音を大幅に低減できる。標準エヴォークより280kg重い車体ながら、0-97km/h加速は9.7秒、最高速度は195km/hに達する。

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レンジローバー・イヴォーク・コンバーチブル

ルノー・トゥイージー

タンデム方式のシートレイアウトと開放的なキャビンを備えたトゥイージーは、発売当初は未来から来たように思えた。2012年の発売時価格は1万2000ポンド(約245万円)からで、ルノーのEVラインナップではゾエの下位に位置した。全長わずか2.3m、全幅1.2mのコンパクトさと機動力から、欧州の都市中心部でレンタカーとして目にするようになった。

最高出力17psと最大トルク5.8kg-mを発生する電気モーターを搭載し、最高速度は80km/h。家庭用コンセントから3時間半でフル充電が可能で、100kmの航続距離を実現した。トゥイージーは見た目だけを理由に批判されることもあったが、そこにこそ独自の個性、つまり魅力があるのだ。

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ルノー・トゥイージー

(翻訳者注:この記事は「後編」へ続きます。)


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